「たぬきせんべい」の山ある記

ニフティの「山のフォーラム」が消滅したのでブログを始めてみました

【奥多摩】北秋川シンナソー

2003-07-22 23:42:34 | 
(注)このブログのスタートは2005年4月8日ですが、それ以前に@nifty「山のフォーラム」に投稿したレポを日付を遡って転載しました。

北秋川にそそぐシンナソーという変わった名前の沢を遡行しました。小沢で大きな滝もありませんが、小滝がぎっしり詰まった無駄のない楽しい沢でした。

【日 程】2003年7月22日(火)日帰り
【山 域】奥多摩
【沢 名】北秋川シンナソー
【メンバ】単独
【天 候】曇りのち雨
【参 考】東京周辺の沢(2000年5月)白山書房
【コース】出合(9:50)→下部連瀑帯出口(10:20)→二俣(11:25)→稜線(11:50)

前日まで家族旅行をしていて休養のつもりで取っていた休みだったがやっぱり山へ行きたくなった。五日市からのバスの時間に間に合わせるため、10分で支度して慌しく家を出た。そのため、遡行図は持ったが肝心の地図を忘れてしまう。しかも、電車の中で気が変わって別の沢を登ることにしたので、結局、地図無し、遡行図無し、おまけに磁石もなし、感だけが頼りの沢行になった。3年前に遡行したヒヤマゴ沢の隣だから何とかなるだろう。

終点の藤倉でバスを降り、少し戻って北秋川に沿って歩くとすぐに出合が見える。桧原村消防団の倉庫のちょうど対岸だ。沢支度をし、危なっかしい踏跡を辿って北秋川に下り、右岸に渡渉する。シンナソーは初めから小滝となって北秋川に注いでいる。最初から小滝の連続で時々緊張もさせてくれて楽しい。全体に水線沿いにシャワーを浴びる覚悟で行くと登りやすい。天気はあまり良くなく、気温も高くないのが残念だが、いったん濡れてしまえば覚悟は決まる。

ガイドブック(東京周辺の沢)の3段12mでかなり緊張したあと突然、穏やかな流れに変わる。イワタバコの可憐な紫の花が急に目に付く。しかしこれはほんの気分転換で二条に分かれた滝から再び連瀑帯が始まる。終わり近くの3段15m滝は一段目を登ってから右手の岩を登って巻いたが、ホールドが脆い岩で緊張した。巻いた滝はこれ一つだった。

このあと、小滝を少し越えて行くと薮っぽい部分があって水量も減る。二俣のは右のほうがわずかに水量が多いようだが、やや沢床の低い左を選ぶ。再び二俣になって左のほうが早く尾根に出そうだが、沢床の低いほうにこだわって、右を選ぶ。土壌は水をたっぷり含んでいて水流はなかなか消えない。

斜度が増して、足元もやわらかくずるずるして登りにくい。右手の樹林帯に移ってじっくり登っていく。最後は再び左寄りにルートをとって稜線の踏み跡に出る。ここで地形図を持っていなかったので以前登ったヒヤマゴ沢との間の尾根に出たものと思い込んでしまった。そのため浅間尾根に出ようとして右へ辿ったが、実は地形図の929m点の付近へ出ていたのだった。

右へ登って行くとやがて尾根が広くなって踏み跡が怪しくなる。それでも進んでいくと下りに変わり、立木に白いビニール紐の目印と小屋みたいな形の変わった記号が頻繁に現れる。沢支度なのでどこへ降りてもかまわないとは思うが、このまま下ったのではあっけなさすぎるので、来た道を引き返すと、沢から上がって来た地点のすぐ先で、浅間尾根に飛び出した。そのすぐ先には見覚えのある道標がある。ヒヤマゴ沢との境の尾根の道だ。このあたり地図にはのっていない道がけっこう多いようだ。

浅間嶺を目指してしばらく尾根を歩くことにする。霧がかかっていて涼しくて気持がいい。途中石の小さな祠の横の大木が根元近くから折れて、登山道に倒れているところがある。これがただ倒れているだけではなく、片側がもう一本別に根元近くで折れた木の上に乗っかって杭で支えられたように見える。偶然にしては出来すぎのように感じられるが、これだけ太い木を人の力で動かすのも難しい。なんとも不思議だ。

このあたりで雨が降り出して来てしまい、予定を変更して次の人里分岐で下って帰路に就いた。

【奥多摩】小坂志川キットウ谷沢と本流

2003-07-12 21:59:37 | 
(注)このブログのスタートは2005年4月8日ですが、それ以前に@nifty「山のフォーラム」に投稿したレポを日付を遡って転載しました。

【日 程】2003年7月12日(土)日帰り
【山 域】奥多摩
【沢 名】小坂志川キットウ谷沢左俣(遡行)、本流(下降)
【メンバ】単独
【天 候】曇り時々晴れ
【参 考】大菩薩・高尾の谷123ルート(山と渓谷社)
【コース】笹平(8:10)→入渓点(9:10-25)→二俣(10:30)→林道(11:30)→本流を下降して入渓点(14:15)

 家族からは天気が悪いからやめといたほうがと言われるが、やっと巡ってきた山行のチャンス。確かに降水確率が50%以上だが、ピンポイント予報では朝と晩に一ミリ程度の降雨であり、最近の様子から昼間は絶対晴れると思う。今年初、久しぶりの沢行なので近くて、通いなれている小坂志川とした。キットウ谷沢はガイドブックによると林道工事のため、上部が埋まっているとのことで、これまでは入るのを見送っていた。

笹平バス停から歩き始めると日が差してきて沢日和となる。小坂志川沿い一時間の林道歩きは長いが、舗装されてなく車もほとんど入ってこないので比較的苦にならない。途中、支流のウルシゲ谷沢沿いに林道が作られているのを見る。まだ出来立てのようで入口は閉鎖されている。これでウルシゲ谷沢も興味半減になってしまうかも知れない。

本流を渡る橋のところで林道は一般車通行止めとなっている。ここで沢支度をして入渓。しばらく本流を行く。大きな釜を持つ3m滝は左をへつって滝に近づいて直登した。トウノ木沢を左に見送り、キットウ谷沢の出合い。出合いから倒木が見えるが、結論的には倒木の多い沢だった。越えるのに苦労するほどではないが、見栄えのいいものではない。また、大きな蛙もたくさん見た。

F1(5m)は埋まってしまったのか良くわからない。F2は左を登る。F3の6mナメ滝を越えて、右から6mナメ滝を見せて枝沢が入るという部分はガイドブックの記述とはかなりイメージが違う。枝沢の水量は極端に少ない。その先の二俣も右俣は伏流と記述されているが、けっこう水量があった。F4はシャワークライムとなって落ち口付近が難しそうなので無理せずに右を巻いた。

この先は傾斜が増して小滝が連続し、F5が仕上げとなって楽しい。ガイドブックでは奥の二俣で水が涸れるとあったが、水流のあるまま気付かずに過ぎてしまいナメ滝を登って薮になったと思ったらなんと土管が見える。土管の上は林道だった。土管の上部はひどい薮で、これ以上は遡行できそうもない。土管で終了は初めての体験。

ガイドブックに従い林道終点まで歩き、そこから尾根を右へ辿って、万六尾根を目指す。登りついたところは地形図の853m地点と見られる。ここからいったん下ると、なんとまた林道へ出た。一瞬訳がわからなくなったが、どうやら林道は二手に分かれているらしい。この林道もすぐ先が終点となっている。ここから万六尾根へは薮を漕ぐようだし、けっこう遠く感じられる。万六尾根に出るのが面倒になってしまい、沢を下って戻る事にした。

林道終点から細い道が下っていてこれを辿る。これは、杉の植林を管理するための道のようで途中で消えてしまう。杉の植林帯は紐が張り巡らしてあって歩きにくい。そのため植林帯の左手の急斜面を立木を頼りに下って本流の沢床に降り立った。

本流は滝らしい滝がなく、きれいなナメの沢床と深い釜、そしてゴルジュが出てくる。深い釜も巻くのはやめてかまわず飛び込んで行く。プールに入っているようで気持がいい。本流は小さい魚がたくさん見られる。ひたすら進んで行くがけっこう距離が長かった。出合いに戻ると釣り人に出会ったが、他の登山者には出会うことがなかった。