(注)このブログのスタートは2005年4月8日ですが、それ以前に@nifty「山のフォーラム」に投稿したレポを日付を遡って転載しました。
北秋川にそそぐシンナソーという変わった名前の沢を遡行しました。小沢で大きな滝もありませんが、小滝がぎっしり詰まった無駄のない楽しい沢でした。
【日 程】2003年7月22日(火)日帰り
【山 域】奥多摩
【沢 名】北秋川シンナソー
【メンバ】単独
【天 候】曇りのち雨
【参 考】東京周辺の沢(2000年5月)白山書房
【コース】出合(9:50)→下部連瀑帯出口(10:20)→二俣(11:25)→稜線(11:50)
前日まで家族旅行をしていて休養のつもりで取っていた休みだったがやっぱり山へ行きたくなった。五日市からのバスの時間に間に合わせるため、10分で支度して慌しく家を出た。そのため、遡行図は持ったが肝心の地図を忘れてしまう。しかも、電車の中で気が変わって別の沢を登ることにしたので、結局、地図無し、遡行図無し、おまけに磁石もなし、感だけが頼りの沢行になった。3年前に遡行したヒヤマゴ沢の隣だから何とかなるだろう。
終点の藤倉でバスを降り、少し戻って北秋川に沿って歩くとすぐに出合が見える。桧原村消防団の倉庫のちょうど対岸だ。沢支度をし、危なっかしい踏跡を辿って北秋川に下り、右岸に渡渉する。シンナソーは初めから小滝となって北秋川に注いでいる。最初から小滝の連続で時々緊張もさせてくれて楽しい。全体に水線沿いにシャワーを浴びる覚悟で行くと登りやすい。天気はあまり良くなく、気温も高くないのが残念だが、いったん濡れてしまえば覚悟は決まる。
ガイドブック(東京周辺の沢)の3段12mでかなり緊張したあと突然、穏やかな流れに変わる。イワタバコの可憐な紫の花が急に目に付く。しかしこれはほんの気分転換で二条に分かれた滝から再び連瀑帯が始まる。終わり近くの3段15m滝は一段目を登ってから右手の岩を登って巻いたが、ホールドが脆い岩で緊張した。巻いた滝はこれ一つだった。
このあと、小滝を少し越えて行くと薮っぽい部分があって水量も減る。二俣のは右のほうがわずかに水量が多いようだが、やや沢床の低い左を選ぶ。再び二俣になって左のほうが早く尾根に出そうだが、沢床の低いほうにこだわって、右を選ぶ。土壌は水をたっぷり含んでいて水流はなかなか消えない。
斜度が増して、足元もやわらかくずるずるして登りにくい。右手の樹林帯に移ってじっくり登っていく。最後は再び左寄りにルートをとって稜線の踏み跡に出る。ここで地形図を持っていなかったので以前登ったヒヤマゴ沢との間の尾根に出たものと思い込んでしまった。そのため浅間尾根に出ようとして右へ辿ったが、実は地形図の929m点の付近へ出ていたのだった。
右へ登って行くとやがて尾根が広くなって踏み跡が怪しくなる。それでも進んでいくと下りに変わり、立木に白いビニール紐の目印と小屋みたいな形の変わった記号が頻繁に現れる。沢支度なのでどこへ降りてもかまわないとは思うが、このまま下ったのではあっけなさすぎるので、来た道を引き返すと、沢から上がって来た地点のすぐ先で、浅間尾根に飛び出した。そのすぐ先には見覚えのある道標がある。ヒヤマゴ沢との境の尾根の道だ。このあたり地図にはのっていない道がけっこう多いようだ。
浅間嶺を目指してしばらく尾根を歩くことにする。霧がかかっていて涼しくて気持がいい。途中石の小さな祠の横の大木が根元近くから折れて、登山道に倒れているところがある。これがただ倒れているだけではなく、片側がもう一本別に根元近くで折れた木の上に乗っかって杭で支えられたように見える。偶然にしては出来すぎのように感じられるが、これだけ太い木を人の力で動かすのも難しい。なんとも不思議だ。
このあたりで雨が降り出して来てしまい、予定を変更して次の人里分岐で下って帰路に就いた。
北秋川にそそぐシンナソーという変わった名前の沢を遡行しました。小沢で大きな滝もありませんが、小滝がぎっしり詰まった無駄のない楽しい沢でした。
【日 程】2003年7月22日(火)日帰り
【山 域】奥多摩
【沢 名】北秋川シンナソー
【メンバ】単独
【天 候】曇りのち雨
【参 考】東京周辺の沢(2000年5月)白山書房
【コース】出合(9:50)→下部連瀑帯出口(10:20)→二俣(11:25)→稜線(11:50)
前日まで家族旅行をしていて休養のつもりで取っていた休みだったがやっぱり山へ行きたくなった。五日市からのバスの時間に間に合わせるため、10分で支度して慌しく家を出た。そのため、遡行図は持ったが肝心の地図を忘れてしまう。しかも、電車の中で気が変わって別の沢を登ることにしたので、結局、地図無し、遡行図無し、おまけに磁石もなし、感だけが頼りの沢行になった。3年前に遡行したヒヤマゴ沢の隣だから何とかなるだろう。
終点の藤倉でバスを降り、少し戻って北秋川に沿って歩くとすぐに出合が見える。桧原村消防団の倉庫のちょうど対岸だ。沢支度をし、危なっかしい踏跡を辿って北秋川に下り、右岸に渡渉する。シンナソーは初めから小滝となって北秋川に注いでいる。最初から小滝の連続で時々緊張もさせてくれて楽しい。全体に水線沿いにシャワーを浴びる覚悟で行くと登りやすい。天気はあまり良くなく、気温も高くないのが残念だが、いったん濡れてしまえば覚悟は決まる。
ガイドブック(東京周辺の沢)の3段12mでかなり緊張したあと突然、穏やかな流れに変わる。イワタバコの可憐な紫の花が急に目に付く。しかしこれはほんの気分転換で二条に分かれた滝から再び連瀑帯が始まる。終わり近くの3段15m滝は一段目を登ってから右手の岩を登って巻いたが、ホールドが脆い岩で緊張した。巻いた滝はこれ一つだった。
このあと、小滝を少し越えて行くと薮っぽい部分があって水量も減る。二俣のは右のほうがわずかに水量が多いようだが、やや沢床の低い左を選ぶ。再び二俣になって左のほうが早く尾根に出そうだが、沢床の低いほうにこだわって、右を選ぶ。土壌は水をたっぷり含んでいて水流はなかなか消えない。
斜度が増して、足元もやわらかくずるずるして登りにくい。右手の樹林帯に移ってじっくり登っていく。最後は再び左寄りにルートをとって稜線の踏み跡に出る。ここで地形図を持っていなかったので以前登ったヒヤマゴ沢との間の尾根に出たものと思い込んでしまった。そのため浅間尾根に出ようとして右へ辿ったが、実は地形図の929m点の付近へ出ていたのだった。
右へ登って行くとやがて尾根が広くなって踏み跡が怪しくなる。それでも進んでいくと下りに変わり、立木に白いビニール紐の目印と小屋みたいな形の変わった記号が頻繁に現れる。沢支度なのでどこへ降りてもかまわないとは思うが、このまま下ったのではあっけなさすぎるので、来た道を引き返すと、沢から上がって来た地点のすぐ先で、浅間尾根に飛び出した。そのすぐ先には見覚えのある道標がある。ヒヤマゴ沢との境の尾根の道だ。このあたり地図にはのっていない道がけっこう多いようだ。
浅間嶺を目指してしばらく尾根を歩くことにする。霧がかかっていて涼しくて気持がいい。途中石の小さな祠の横の大木が根元近くから折れて、登山道に倒れているところがある。これがただ倒れているだけではなく、片側がもう一本別に根元近くで折れた木の上に乗っかって杭で支えられたように見える。偶然にしては出来すぎのように感じられるが、これだけ太い木を人の力で動かすのも難しい。なんとも不思議だ。
このあたりで雨が降り出して来てしまい、予定を変更して次の人里分岐で下って帰路に就いた。