「たぬきせんべい」の山ある記

ニフティの「山のフォーラム」が消滅したのでブログを始めてみました

【ネパール】ゴーキョ・ピークへトレッキング(2)

2011-11-26 14:47:54 | 山小屋泊

       ゴーキョ・ピークから見た(左)チョオユー、(右)ギャチュンカン

【日 程】2011年10月25日(火)~11月24日(木)
【山 域】クーンブ・ヒマール
【山 名】ゴーキョ・ピーク(ゴーキョ・リ)
【メンバ】本人、妻
【コース】カトマンズ(10/26~10/28)→ルクラ(10/28)→パグディン(10/28)→ナムチェ(10/29)→シャンボチェ、クムジュン周回(10/30)→モン・ラ(10/31)→ドーレ(11/1)→マッチェルモ(11/2)→ゴーキョ(11/3)→ゴーキョ・ピーク往復(11/4)→マッチェルモ(11/5)→ポルツェ(11/6)→パンボチェ(11/7)→ディンボチェ(11/8)→チュクン往復(11/9)→タンボチェ(11/10)→ナムチェ(11/11)→パグディン(11/12)→ルクラ(11/13~11/19)→カトマンズ(11/19~11/23)

(きっかけ)
カトマンズへの格安航空券を見つけたのがきっかけです。エアーチャイナで成都経由、10月25日発で11月18日帰国の変更不可のチケットでした。妻は若いころにアンナプルナ方面のトレッキングの経験がありましたが、私はネパールに行った事は無く、ヒマラヤトレッキングに関しては興味はありましたが、予備知識はほとんどありませんでした。航空券を手配してから、ガイドブックやインターネットなどで情報を集めているうちに、カラ・パタールやゴーキョ・ピークといった標高5,000mを越える所までトレッキングで行ける事を知りました。天候が悪いことによる停滞や、高山病でいったん引き返したりすることも考慮し、ネパールでの観光はいっさい考えず、すべての日程をトレッキングに当てることにしました。しかし、一週間以上も足止めを食うようなことは想定していませんでした。反省しなければなりません。

(概要)
ネパール入国にはビザが必要ですが、写真を用意して行けば、カトマンズの空港で入国手続きと同時に簡単に取れます。日本で取るほうが面倒で費用も余計かかるようです。トレッキングをする場合にはトレッキング許可証(TIMSカード)が必要です。普通は簡単に取れるはずですが、私たちが着いた日はちょうどティハールという数日続くお祭りの日に当たって公的機関が休みで取れずに苦労しました。
トレッキングコースは日本の登山道よりも整備されており、岩場などの危険な所もありませんでした。途中、小雪に降られることもありましたが、この時季には雪はすぐに溶けて、ゴーキョ・ピークにも雪はありませんでした。ただし、カラ・パタールとゴーキョ・ピークをショートカットでつなぐ、チョラパスというコースには雪が残って危険もあるそうです。
最も心配していたのは高山病でした。対策としてカトマンズの薬局でダイアモックスという予防薬を購入しました。この薬はナムチェ3,440mで妻が気分が悪くなって服用を始め、私もはっきりした症状は無かったのですが服用を始め、下る一方になる頃まで続けました。飲まなかった場合、どうなったかはもちろん分りませんが効果はあったような気がします。高山病の一番の対策としてはとにかく休み休みゆっくり行くことで、一日の行程も短くしますので体力的には逆に楽だと言えます。水分、特に暖かい飲み物を多く取ることが高山病対策になるということで、途中の茶店で休んではホットレモンやミルクティーなどの飲み物をポットで頼んで何杯も飲みました。
寒さ対策としては、冬山用シュラフ(妻用は現地購入)、ダウンジャケットを持って行きましたがとてもかさ張ります。私たちはポーター兼ガイドを一人雇いましたが、ポーター無しで比較的小さいザックで歩く人も見かけました。そういう人は寒さ対策はどのようにしていたのか不思議です。夜は宿で頼めば毛布を何枚でも貸してくれるのか?私たちはシュラフに毛布を一枚掛け、さらに水筒に厚手の布のカバーを用意して持って行き、宿でお湯を入れて貰って湯たんぽとしました。翌朝、冷めたお湯は飲料水に利用しました。全体に荷物が多くなり機動性には欠けてしまいました。
ホテル・ロッジについては、ナムチェまではシャワーを浴びることも可能です。タンボチェには高級そうなホテルがありましたので、たぶん可能と思います。その先へ進むと、シャワーはもちろん洗面所もありません。トイレもペーパーは自分で用意し、使用したものは流さず、ごみ入れに入れます。水がめが脇においてあり、トイレの中のものは自分で流す必要があります。部屋については日本の山小屋のような大部屋は無く、すべて個室です。私たちは最初のうち着替えなどもしていましたが、最後には何日も同じものを着ていました。湿度が低いせいか、着替えをしなくてもあまり苦になりません。食事は泊まった宿で取ることが暗黙の規則になっています。地元の料理だけでなく、パスタやピザもあります。テント泊まりの人もいますがきわめて少数派です。
展望については、ゴーキョまではあまり天気が良くなかったためか比較的印象は薄かったのですが、ゴーキョ・ピークに登った時は運よく360度の展望に恵まれ、エベレスト、ローツェ、マカルー、チョオユーの8,000m級4座をはじめ、7,000m級のギャチュンカン、ヌプツェ、6,000m級のチョラツェ、タウツェなど多くの山々を展望することができ、この上ない満足感に浸りました。ポルツェに泊まった翌日(11/6)から5日間は朝から夜まで快晴という素晴らしい天気が続き、タムセルク、カンテガ、アマダブラムの6,000m級の雪山を間近に仰ぎ、ローツェ、ヌプツェとその向こうに頭を出しているエベレストを眺めながら歩き続けました。残りの日程が詰まってきて、チュクンは往復だけで、チュクン・リには登れませんでしたが、アイランド・ピークやアマ・ラプチャ、ヒマラヤひだの美しい山も素敵でした。ディンボチェでの夕日を浴びるローツェ、満月を肩にしたアマダブラムも印象的でした。大きな僧院のあるタンボチェではちょうど祭りの日にあたり、宗教行事のマニ・リンドゥを見ることもできました。タンボチェはタムセルク、カンテガがすぐ目の前に見え、アマダブラムやローツェ、ヌプツェ、エベレストの眺めも良く、宿泊地としては最高の景色と言えます。外から見ると高級そうなホテルもありました。シャンボチェのホテル・エベレストビューまで行くだけで戻るツアーも多いようですが、タンボチェまで行ければ大きな満足感が得られると思います。
ナムチェより下る日から天気が悪化し、ルクラで一週間も足止めされしまいました。一番天候が安定している時季のはずですが、去年も一度あったそうで、今年は二度もあったことを考えると、来年以降も警戒が必要ではないでしょうか。帰りの航空券をネパールで購入しましたが、一番安い便がデリー経由で一人700ドル弱(クレジットカードの場合4%の手数料加算)でした。思ったより安いので、ルクラ方面のトレッキングの場合は片道航空券で来て、帰りの航空券はネパールで手配する方が良いのかなとも思いました。天気が回復すると快晴のルクラからの展望もなかなかのものでした。なお、ルクラ足止め中に親しくなったシェルパの方のご配慮でメラ・ピークのスキー滑降のためちょうど来合わせていた三浦雄一郎、豪太さんのお二人と話もでき、一緒に写真を撮らせて頂くという思わぬプレゼントがありました。

 

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【ネパール】ゴーキョ・ピークへトレッキング(1)

2011-11-24 22:36:22 | 山小屋泊

              ゴーキョ・ピークから見たエベレスト

【日 程】2011年10月25日(火)~11月24日(木)
【山 域】クーンブ・ヒマール
【山 名】ゴーキョ・ピーク(ゴーキョ・リ)
【メンバ】本人、妻
【コース】カトマンズ(10/26~10/28)→ルクラ(10/28)→パグディン(10/28)→ナムチェ(10/29)→シャンボチェ、クムジュン周回(10/30)→モン・ラ(10/31)→ドーレ(11/1)→マッチェルモ(11/2)→ゴーキョ(11/3)→ゴーキョ・ピーク往復(11/4)→マッチェルモ(11/5)→ポルツェ(11/6)→パンボチェ(11/7)→ディンボチェ(11/8)→チュクン往復(11/9)→タンボチェ(11/10)→ナムチェ(11/11)→パグディン(11/12)→ルクラ(11/13~11/19)→カトマンズ(11/19~11/23)

エベレストを見たい・・ということでは無かったのですが、ネパールへ行こう→行くならトレッキング→どうせなら標高の高い所へと考えが発展し、カラ・パタールはきつそうだったので、ゴーキョ・ピークに狙いを定めました。いつもは一番天気が安定する時季のはずでしたが、今年は私たちがルクラに入ったすぐ後から天気が悪くなり、一週間ほどカトマンズ~ルクラ間の飛行機が飛ばず、ルクラで食料不足が起きるほど、戻りの飛行機待ちのトレッカーが溜まったそうです。私たちはモン・ラあたりで小雪に会うなど展望に恵まれなかったのですが、ゴーキョ・ピークに登った時は幸運にも好天に恵まれ360度の展望を楽しみました。その後、ポルツェからカラ・パタール方面に転進してチュクン往復したのち、ナムチェに戻るまでの5日間は朝から晩まで快晴が続いて好展望を楽しむことができました。ところが、その反動なのか再び天気が悪化して飛行機もヘリも飛ばず、ルクラに一週間も足止めされて帰りの国際線にも乗り遅れてしまいました。ネパールの30日間のビザでぎりぎり30日の滞在となり、今日、ようやく日本に帰って来ましたが、終わってみればすべて楽しく、良い経験と思えます。今後、何回かに分けて報告したいと思いますが、面倒になって途中でやめるかも知れません。その時は悪しからず。

 

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