「たぬきせんべい」の山ある記

ニフティの「山のフォーラム」が消滅したのでブログを始めてみました

【奥多摩】峰谷川茂窪谷

2006-08-20 21:37:14 | 
今年3度目の峰谷川は本流の茂窪谷に入りました。滝場が始まるまでが単調で長いけれど、林道をずっと歩いて行けば省略はできるようです。困難な滝は少なく、高巻きはほとんどありません。詰めはかなりの急傾斜となりますが、どこまできつくなるかと心配になる頃、ポンと登山道に飛び出します。

【日 程】2006年8月20日(日)日帰り
【沢 名】峰谷川茂窪谷
【メンバ】単独
【天 候】曇り一時雨
【コース】峰谷バス停(8:30)→入渓(9:00)→登山道(13:00)→水根沢林道→水根バス停(15:50)
【参 考】奥多摩の尾根と沢(奥多摩山岳会編、東京新聞出版局)

奥多摩駅から峰谷まで入るバスは数名しか乗ってなく、終点の峰谷バス停で下車したのは私以外に一人だけ。林道が坊主谷を渡ってから、少し先で踏み跡を見つけて茂窪谷へ下る。滝を一つ越えたあとは、しばらく単調な川歩きが続く。右手はずっと護岸されており、コンクリートの吹きつけも見られる。やがてしっかり手入れされたわさび田が現れる。ガイドブックで造成中と記載されているわさび田と思われる。

木橋があり、左手に立派な小屋が立っている。石積みの大きな堰堤が連続して現れ、しっかりした踏み跡を辿って巻いていく。この時、前方に釣り人が見えた。釣り人を追い越すのは相手の気持ちを考えると嫌なもの。しかし相手は釣りに夢中で気づいていない。踏み跡がかなり高いところに付いているので、そのまま上から追い越していく。ところが、釣り人が気になっていたため、踏み跡につられて左手の支沢に登ってしまった。堰堤が連続しすぎるのと、何となく二俣らしかったことに気づく。幸い、この踏み跡が右手の小尾根を乗り越したのでここから小さな沢状を下って本流に戻った。

この先から滝場が始まる。ガイドブックでは右岸を巻くという二つの滝は巻くというよりは左壁を登る感じの小さい巻きである。ロープを出して左岸を高巻いたという8m滝はこれも左壁を登る。このあたりは楽しめるところ。これより先は容易な滝ばかりとなる。右手に滝の見える枝沢を分けるとわさび田跡が続き、古い小屋も見られる。最後の二俣は右俣にわずかに水流があって滝も見られるが、水流が無く比較的傾斜の緩い左俣を選んだ。

左俣は涸れ棚があり、登っていくとどんどん急傾斜になる。このあたりで雨が降り出した。傾斜はきつくなる一方で、これ以上きつくなったら藪に逃げたほうが安全かも知れないと思い始める頃、上部に木の橋が見える。これが高丸山の巻き道の桟道だった。

巻き道から尾根道に出て、鷹ノ巣避難小屋方面に向かう。雨は本降りになるがそのまま歩いて行き、びしょ濡れになった。日陰名栗峰あたりはマルバダケブキが満開で目を楽しませてくれる。鷹ノ巣避難小屋では小屋に入っていく沢登りらしい二人の登山者を見かけた。雨はすぐに上がり、水根沢林道の途中で乾いた衣類に着替え、バス停に下った。

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【奥多摩】日原川タル沢

2006-08-14 20:58:31 | 
 日原川タル沢は滝の数が少なく、特に下流部は崩壊により沢が荒れて落石の危険も大きく、つめも藪はないものの結構きついのでお奨めできません。沢の下流部は崩壊が進んで、参考としたガイドブックとは大きく異なっていました。

【日 程】2006年8月14日(月)日帰り
【沢 名】日原川タル沢
【メンバ】単独
【天 候】曇り
【コース】東日原バス停(8:40)→タル沢出合(9:50)→将門馬場(13:20)→六ツ石山(14:00)→奥多摩駅(16:00)
【参 考】奥多摩の尾根と沢(奥多摩山岳会編、東京新聞出版局)

東日原バス停から日原川の下流へ戻っていく道が分からず、川原へ下って沢支度を整えて日原川を下っていく。つり橋が見えたところで、左岸の山道へ上がり、つり橋を渡る。ここから右岸の道を辿る。この道から上へ分かれる道があったが、上へ登っていく仕事道かと思い、平行に行く道を選ぶ。ところがこの道はやがて川原へ降りて消えてしまう。沢支度なのでそのまま日原川を下って、タル沢出合に着く。

タル沢は小滝となって日原川に注いでいる。ガイドブックでは「立派なコンクリート橋が架かっている」とあったが、基盤のみで橋そのものは無い。道はあったのでさきほど上へ登っていく道を行けば良かったようだ。ここまで、ガイドブックで20分のところ、1時間もかかってしまった。この出合から沢を見あげた雰囲気はなかなか良かったのだが。

沢は非常に水量が豊富。両側が崩壊し、荒れた感じで、茶色っぽいコケが付いてヌルヌルしている。フリクションに自信が持てないので慎重に行く。最初の滝の流水部分はツルツルに磨かれており、右から巻き気味に登る。右に大岩のあるチョックストンの滝は両側とも巻くのが面倒なので、滝の裏側に回り込みながら強引に登ったが、流水をまともに浴びてしまった。

やがて巨大な堰堤が見えてくる。平成15年度と銘板にあり、コンクリートの表面に鋼板が貼り付けてあって、黒く塗られた重厚な作りである。何かの建物かと思ったほど。こんな贅沢な堰堤が必要なのだろうか。堰堤を越えると上はほとんど土砂で埋まっていた。この堰堤の上と下で親子の鹿を見た。この上は広大に開けた沢の一部に水流が流れているといった様子になっている。これまで40本以上入っている奥多摩の沢だが他には無いスケールの大きい景観といえる。石積みの堰堤が二つ見られる。このあたり、ガイドブックではわさび田があったあたりと思うが、大量のガレに埋まってしまったのだろう。

やがて右にガレた涸れ沢を分けると、沢は狭まって屈曲し、ようやく奥多摩の沢らしくなる。ゴルジュ状になって二段の滝が現れる。左から登る。その上にも小滝が二つほど続き、簡単に登れる。さらに階段状のナメ滝を登っていくと、7mほどの斜瀑がある。これは右手の乾いたところを登る。滝らしい滝はこれで終わってしまった。

沢床はガレになり、やがて右に小屋が見え、左右にわさび田が現れる。わさび田が終わったあたりから沢の両側にネット(害獣除け?)が見られるようになる。ガイドブックでは左の尾根に取り付いたようだが、右の支尾根に登る。結構きつい登りをこなして行くとタル沢尾根に合流し、さらに頑張って上がって行くとちょうど将門馬場と標識のあるところに登り着いた。

石尾根縦走路を辿っていくが、途中六ツ石山や三ノ木戸山に寄る。三ノ木戸山の山頂の少し先にネットで囲われた場所がある。近くによって覗き込むと番号の入った色分けされたテープの付いているピンが地面に大量に差してあった。何かの実験だろうか?ここから左へ斜面を強引に下って、縦走路に戻った。曇ってきて雨が心配になったが最後まで降られずにすんだ。

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【奥多摩】峰谷川坊主谷坊主小屋沢

2006-08-05 21:23:42 | 

 先週に引き続き、峰谷通いです。坊主谷は満腹になるほど滝の数が多く、つめも藪こぎがまったく無いお奨めの沢です。特に、上流部にもこれでもかと滝が現れ、「そんなにサービスしなくてもいいよ、滝の少ない他の沢に分けてあげたら?」といいたくなるほどです。今回もシャワーを浴びまくり、暑い日なのに、沢の中では寒くなってくるほどでした。

【日 程】2006年8月5日(土)日帰り
【沢 名】峰谷川坊主谷坊主小屋沢
【メンバ】単独
【天 候】晴れ
【コース】峰谷バス停(8:30)→入渓(9:00)→登山道(13:00)→六ツ石山→水根バス停(16:10)
【参 考】①奥多摩・大菩薩・高尾の谷123ルート(山と渓谷社)
     ②奥多摩の尾根と沢(奥多摩山岳会編、東京新聞出版局)

午前中1本だけの奥多摩駅から峰谷まで入るバスは先週と異なりほぼ満席。途中、水根バス停で数名のグループが降りる。水根沢谷はこのところ入る人が多いようだ。終点の峰谷バス停で10名ほどが下車する。三沢まで舗装道路を歩き、左へ未舗装の林道に入る。歩き始めは涼しく感じたが、先週と異なりムワッとした暑さを感じる。早く沢に入りたくて、林道上から茂窪谷との出合が見えたところで、踏み跡を見つけて沢に下る。

流水が狭まった小滝でシャワーを浴びていきなりびしょ濡れとなる。初めにびしょ濡れになってしまったほうが、涼しいし、思い切りが良くなるのでそのあとの滝登りにも良い連鎖があると思う。このあと林道の橋の下をくぐって行く。ガイドブックではこの先で入渓するようだ。堰堤を二つ越えて行く。乾いた岩の上に濡れた跡を見る。先行者がいるようだ。釣り師は多いらしいが、そうで無ければ良いが・・・。

最初のゴルジュが現れる。このゴルジュはガイドブックでは巻くようになっている。最初の滝はシャワーを激しく浴びながら頑張れば登れそうだったが、先も長いので巻くことにした。巻き終えて見るとゴルジュ出口の滝が難しそうで、巻いて正解だった。このあと、幅広の滝やハーフドーム形の滝など楽しく登れる。ガイドブックでは「巻く」となっていた7mの滝も含めすべて直登可能。ナメ滝やナメ床も美しく、嬉しくなってくる。乾いた岩の上の濡れ跡は依然として見られるが、追いつけないところを見ると釣り師ではなく、単独行の沢登りと見られる。

大岩がはさまった滝を水を浴びて登ると8m+8mの2段の滝が現れる。1段目だけ左から小さくまいて落口に立つ。2段目は水線沿いは困難だが、左手の安全な乾いたところを登る。直登とは言い難いが直登気分になれる。しかし滝はこれで終わらず、その上にさらに直登困難な滝があった。これは左から小さく巻いて沢床に戻ろうとしたが、ロープを持って来てなかったので下れずに、大きく巻く事になった。このとき眺めたところ、この滝場は全部で4~5段の連瀑といえた。

滝があまりに多く、このあたりから無我の境地になって登っていく。気がつくと大きなわさび田跡に来ていた。「あれ、まてよ」とガイドブックを確認すると中ノ谷に入ってしまったようだ。戻って右俣に入る。こんな二俣を見逃すとは・・。こちらにもわさび田跡が見られるが、きれいで楽しく登れる滝も次々と現れる。しかしだんだん疲れてきて登り方がぞんざいになってくる。勿体無いことだが。

シダノ沢を分け、さらに左に急な窪状を分ける。ガレ状になって水は時々消えるが、また現れたりする。つめが水場になっているから最後まで水は枯れないかも知れない。ガラス容器や缶などのごみが見られ、前方にコンクリートの人工物が見えるなぁと思ったら、それが登山道脇の水場だった。ゴミはこの水場で親切に水が飲めるように置いた容器が、大雨の時など下に転がり落ちて行ったものだろう。2個ほど拾っておいた。

このまま峰谷に下るとバスの便が悪いので、鷹ノ巣の避難小屋に向かう。避難小屋の前で大の字になって寝ている人がいた。先行者はこの人のようだ。同じバスで来てさっさと歩いて行った人がいたようだが、多分そうだろう。小屋からは鷹ノ巣山は巻いていく。濡れたものを着替えてないこともあって、涼しくて気持ちいい。気持ちがいいので石尾根縦走路を六ツ石山まで歩く。この時期はマルバダケブキの花がとても多い。また、アサギマダラも見られた。六ツ石山から水根バス停に下ったが、下るにつれ暑くなって大汗をかきながらバス停に着いた。

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