8月も終盤、ようやく暑さも落ち着いてきました。
猛暑真っ盛りの時期よりも、少し暑さが緩んできたこの時期くらいから、いわゆる「夏バテ」を感じる方も増えてくるかと思います。
寝つきが悪い、眠りが浅い、食欲がないなど、夏の暑さへの反応として起きるさまざまな症状を、少し前までは暑気あたり、暑さ負け、最近では「夏バテ」と呼んでいます。
昔から、冷ややっこや冷や麦、ソーメンなどを夏の食物として日本人は愛用してきました。
少量のこうした食物を体に取り入れることで、全体的な疲れを防ぐ意味もあったのでしょう。
高温多湿の日本の夏、その温度と湿気は消化器系を直撃します。
身体均整法では「夏は消化器系の調整」といいますが、これは実際にそうで、ただでさえ胃腸の疲労を起こしやすい環境にプラスして、冷たいモノやクーラーなどで、内外から冷えを取り入れる結果となりますから、さらに消化器系は不調となっていきます。
いわゆる夏風邪が長引くというのは、呼吸器系の不調のみならず胃腸の機能低下が重なっていることで回復が追いついていかない、という事情もあったりします。
特に最近は湿気が強いこともあり、肝臓なども疲労してきます。
…ということで、いまの日本の暑さ事情にかなった「夏バテ」のセルフ・メンテナンスを紹介いたします。
まず、塩。
自然塩をちょっと指につけ、なめてみてください。
その時に甘く感じるようなら、それは体が塩分を必要としている時です。
そういう時はごく少量、塩を直接なめておくといいです。
そして、食事を少量にします。
少量にする、というと肉や魚をとらず野菜を、という発想になる方もいますが、そうではなく、肉も魚もしっかり食べた方がいいと思います。
ただ、食べ合わせ的に、消化酵素の関係から肉や魚などのタンパク質系と、パンやごはんなどの炭水化物系は一緒に食べると消化に悪いといわれています。
それぞれ食べる場合はなるべく別々に食べて、あとは野菜でカバーするようにしたらいいかなと思います。
そして、呼吸法。
ヨーガをはじめ、東洋では伝統的に呼吸法は盛んでした。
その方法も多岐に渡ります。
左の鼻から吸って、右の鼻から吐くという方法が、日本の神道に伝わっています。
ヨーガでは、左鼻は副交感神経、右鼻は交感神経とされています。
これを中国的に解釈すると、左は陰の気、右は陽の気のルートということになります。
陰→陽という流れになりますから、脳を活性化し気力を高める効果がこの呼吸法には期待できる、ということになります。
反対に、右から吸って左から吐く場合には、リラックスの方向に心身が向くことになりますので、夕方や夜の就寝前などにはよいのかもしれません。
神道の場合はヨーガのように鼻腔を指で抑えたりせず、そのまま左で吸って右で吐くというイメージをするだけ。
2分から3分くらい、息は細く長く、でもしっかりと呼吸を行うことだけがポイントです。
よければ、試してみてください。