『冠纓(かんえい)神社』。
高松空港に降り立って、まず最初に見参させていただいた神社です。
しかし、「讃岐編」の最終記事とさせていただいた背景には、それ相応の理由があります。
…今回ばかりは、できますればどなたも最後まで読んでいただきたく。
『冠纓(かんえい)神社』は、別名「かむろ八幡宮」とも呼ばれ、四国では金刀比羅宮と並ぶ歴史的由緒ある古社。
創建は861年と伝承にはあります。
御祭神は、
帯中津日子命(たらしなかつひこのみこと)
品陀和気命(ほむだわけのみこと)
息長帯比売命(おきながたらしひめのみこと)
社叢は、香川県自然記念物に指定され、面積3万3千平方メートルにクスノキ、スギ、モミの大木に、マツ、ツクバネガシ、ツブラジイなどが茂り、中下木にモッコク、イヌマキ、ヤブニッケイ、マンリョウなど百二十種類に及ぶ植物が群生する。
御神木・かむたま龍樟樹。
陰陽師・安倍晴明は、讃岐の出身である、という説もあります。
この神社に神主として奉職していたとの伝承が残っています。
龍王神社。
こういうことも…。
厳島神社。
宮池。
…と、ここまで一見すると普通の神社。
しばらく小雨降る境内をあちこちと移動しつつ「由緒ありそうだけど、なんだかサビシいな…」と思っていると…そこに神職(女性)の方が登場。
「あ、ご朱印を」…と例によって副長のお声がけ。
「はいはい…あなたたち、神社くわしい?」
…ここから、社務所内でお話を伺うことになったのです。
こちらは、神職・Tさんのお手製。
「風の神様の息吹を参拝してくださる皆様に感じていただけるように…」と、ほとんど「一人」での作業。
カンタンに見えるかもしれませんが、実際これは大変です。
全身にいくつもの病を抱えながら、尽きぬ想いの成せるワザ。
「日本一の夫婦大獅子」
県指定無形重要文化財でもある。
一昨年逝去された、宮司であったご主人は地元・香川県では400年以上、それ以前の場所でも450年以上続く神職の系統であったという。
その宮司なき後、この神社を一人で切り盛りされ昨年には、
秋の大祭も、開催されています。
社務所でお伺いしたお話は、いわば「神社」の苛烈なる現実を目の当たりとするものでした。
その詳細をいまここでは述べることはできませんけれど、近い将来また別の機会を設け、紹介できればと考えています。
それにしても…と思う。
歴史は、いわゆる「勝者」の歴史であることは通説。
そこでは敗者、つまり征服された側の言い分というのは抹消されていくことになります。
正しい正しくない…は問題ではなく、「勝った者が正しい」のですね。
それは日本だけでなく世界中、あらゆる国でいえることではないでしょうか?
神社を知れば、日本がわかる…といわれます。
それは単に伝承やご由緒、御祭神などを知る、ということではありません。
その背景に想いを馳せ、根源を考えるところから、本当に「知る」ことは始まるのだと、私は思います。
また、収益が上がることでその「経営」が成り立つことは、一般の企業も神社も変わりません。
いわゆる「パワースポット」巡りというのは、そういう意味ではありがたいことなのでしょう。
昨年は伊勢、および出雲での遷宮を迎え、一見すると神社界は大いに盛り上がっていた…ような雰囲気がありました。
けれど、それはやっぱり全体の中での一部で、いわば「ブランド」力のある神社のみ、その恩恵に預かれるというのが現実だったのではないでしょうか?
聖地で浄化…といえば聞こえはいいものの、「パワースポット」というイメージの中でのそれは、やはり「ブランド」のバッグやおサイフを手に入れてほくそ笑む心情と、何ら変わるものはないように思います。
神職・Tさんは、「来年一月いっぱいでこの神社から出ることになっている」と、この時点では云われていました。
先日副長が神社へ連絡したところ、「急に出ることはなくなった」ということでホッと一安心
ただ、出ること自体は覆ることはなさそうですが。。。
地球新生神宮。
…さて、
今年の2月で、『神社おそうじ隊 見参!』は、活動を始めて丸3年を迎えます。
この間、実にさまざまなカミサマに御縁をいただき、さまざまな経験をさせていただいてきました。
また、御参加いただいた皆様には、改めて感謝させていただきたいと。
特に「ご当地隊」としてさまざまにお力をいただいた皆様には、本当にお世話になりました。
ほとんど「神社」というもののもつ意味や意義を知らない状態から始め、早くも3年の月日が流れました。
この3年で、ようやくその「輪郭」くらいは、朧げながらつかめたようなそうでもないような…。
…今回の「讃岐編」。
温暖であることを予測していた身には、けっこうコタえる寒さのなかでの巡拝となりました。
そうはいっても、今回のご当地隊・Kさんのポイントの絞れたご案内もあったこともあり、本当にギュッと詰まったありがたい道行きとなりました。
本当に、ありがとうございました。
またの機会にも、何とぞよろしくお願いいたします。
今年(2014年)の『神社おそうじ隊 見参!』は、昨年にも増してパワフルな予感。
神道の伝統では、私たち一人一人は「カミ」と直接に繋がっています。
その身と心は、まさに「カミ(神)」なるヤシロ(社)そのもの。
「神社」に触れるということは、連綿と続く私たち一人一人の魂のルーツに触れるということ。
その体験は、実際にその身と心を「そこ」に運ぶことで得ることはできます。
今年の現時点でのおおまかな予定はここにあります。
よろしければ、ご一緒いたしましょう。