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寡黙なる巨人 / 多田 富雄

2010-09-11 | Books
寡黙なる巨人とは誰のことかと思いながら読んでいたら
リハビリをしていたときに、自分の声をテープで聞くと
自分とは思えない声が出ていてびっくりしたことや
動かない手や足が少し動いたときの感覚が
自分の中にもうひとりの巨人がいて
その巨人が一生懸命に育っていこうとしている
と考えるようになり、その寡黙な巨人とともに
懸命に生きていこう、とする意思の表れであったことがわかりました。

病院やリハビリセンターのなかでは
東大名誉教授の肩書などなんの意味もなく
生きることリハビリで失われた機能を回復しようとしている
たくさんの患者のひとりであることを
実感されています。

そして、病気で倒れる以前は普通に生きていることが
当たり前になっていてことが
生死の境を生き延びたあとのほうが
生きていることを実感している
という言葉があります。

小泉内閣の診療報酬改正によるリハビリ180日制限に
リハビリ患者の立場から反対の声を上げ
再考を促しますが、それでも厚生労働省の壁は
突き崩せなかった。

リハビリを制限するということは
患者に死ね、ということだと言います。

日本の医療はどうなっているんでしょうか。


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