梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

先々のこと

2005年09月10日 | 芝居
『歌舞伎フォーラム公演』も、もうすぐ<中日>で、ようやく折り返し地点が見えてまいりました。今日の夜の部では、師匠梅玉の奥様が観に来て下さいました。お忙しい中、本当に有り難いことでございました。

気がつくと、今後の予定が年末まで決定しており、(ああ、もう今年も終わるのか)と、考えてしまいます。何を気の早い、とお思いになるかもしれませんが、スケジュールが埋まった段階で、なんとなく、先が見えてしまうような感じがするものなのです。
十月は国立劇場で『貞操花鳥羽恋塚(みさおのはな とばのこいづか)』の通し狂言、十一月は歌舞伎座での吉例顔見世興行、そして十二月(といっても初日は十一月三十日ですが)は京都南座での吉例顔見世、四代目坂田藤十郎襲名披露興行に出演いたします。十月国立は、以前に当劇場で復活した鶴屋南北のお芝居の再演。私は観たことがないのでなんともいえませんが、宙乗りがあったり烏天狗が出てきたりする、スペクタクルな場面があるようですね。今回は、初演台本にさらに手を加えての上演だそうでございます。一からのお芝居づくりに携わることができそうですね。
十一月、十二月は、それぞれ演目は発表されておりますが、はてさて私はどのお芝居に出させて頂くことになるでしょう。東西とも、顔見世興行は普段より出演なさる俳優さんが多うございますので、楽屋はさぞにぎやかになることでしょう。京都の顔見世は今度で二回目。この前は夜の清水寺を特別拝観することができました。今回もどこか名所古刹を観にゆければよいのですが。

…一年中、舞台に立たせて頂き、様々なお役を勉強させていただける。有り難いことでございます。今年は前、中期にわたり、思い出に残るお役との出会いがたくさんございました。残り三ヶ月を、さらに充実させるためにも、今は『歌舞伎フォーラム公演』での三役を、ひたすら精進するだけです!