タカ長のタカの渡り観察

タカが好き、山が好き、花が好き、心はいつも旅もよう。日々移ろいゆく心もようを綴るナチュラリストのつぶやきです。

ベトナムの旅から~その1

2009年10月16日 | 旅行のことなど
今考えれば間一髪のフエ脱出でした

 今回のベトナム旅行の写真の整理がほぼ終わりました。

 フエの写真を整理しながら改めて感じたのは、そしてカメラに残された確たる証拠を見て感じるのは、あの間一髪の脱出があったからこそベトナム探鳥旅行を進めることが出来たのだと言うことです。



 10月9日に紹介したフエのホテルから幹線道路に出たところです。ここまでは水がきていませんが、平素なら多くのバイクや車で混雑しているはずの道路はこの通りです。



 しばらく北上するとこのようなところを何度も何度も通りました。こうしてみると冠水直前であることが分かります。能天気なタカ長は「外国での台風経験もめったにない貴重な体験だ」などと話しながら、このような風景をものめずらしそうに眺めていました。しかし、いま考えるとガイドのマーさんやドライバー君たちの心配は相当なものだったと思われます。



 フエを出発して2時間以上走り初めてトイレ休憩を取りました。日本のように道の駅などありませんから、道路沿いの小さなカフェの前に車を止め、コーヒーを注文してトイレを借りるわけです。

 そのカフェの隣が建材屋でした。土嚢が積まれています。店への冠水に対応しているのかと最初思ったのですが、、、、



 良く見るとどうやら売り物にするようでした。台風接近に際して商売をするのでしょうか?ここまで逃げると風雨はかなり弱くなりましたが、まだまだ安全地帯ではないようです。



 カフェを過ぎてもこのような道が続きました。どこが冠水してもおかしくありません。考えてみればこのあたりの地形は平坦で、当然川の傾斜も日本のように急流はありません。いったんたまった水はなかなか海に流れ込まないことは外国人の私でも理解できます。

 その日センティに着いて国営チャンネルを見ると、道路が冠水して動けなくなった大型バスやトラックの列が放映されていました。私たちのフエ脱出がもう少し遅かったら、私たちの車もあの車列に含まれていたはずです。

 その台風のことは時間の経過とともに、言葉の分からない私たちにも少しずつ分かってきたのですが、死者44名以上を出した大型のもので、帰国前日の10月7日の新聞にも被害の様子が報道されていました。

 日本の例で言えば「伊勢湾台風」のように歴史に残る大型で強い台風だったようです。



 私たちのフエ脱出を支えてくれたドライバーです。彼らは前日ハノイから10時間かけてフエに到着、休むまもなくハノイ南郊のセンティまで12時間(昼食時間を含む)運転してくれました。

 ご覧のように若いドライバーで、運転が荒っぽいと勝手なことを言っていましたが、彼らは内心必死だったのでしょう。左側のドライバーとはその後2回一緒になりましたが、その時は荒っぽい印象を受けませんでした。

ベトナムの人たちの必死の助けがあって私たちのベトナム探鳥旅行は予定以上の成果を上げることが出来たのです。




今日の観察~10月16日

2009年10月16日 | タカの渡り観察
ドラマのない一日でした

 昨日はノスリ祭、四国に帰省中のトビ吉おじさんがネットを見てびっくりして電話をかけてきました。一日に275の記録は過去にはありませんし、20羽のノスリのタカ柱も記憶にありません。

 二日続きで良いことがないのが渡り観察ですが、それにしても平々凡々とした一日でした。写真に撮ることも起こりませんでした。

今日の結果

  10月16日    晴

    観察者    ジューヤク カメ吉 こり吉 二位の方 タカ長
    観察時間   8:00-16:00

     ノスリ           50
     サシバ           3
     ハイタカ    東向き  3
     ハイタカ    西向き  2
     オオタカ    東向き  1
     ツミ             7
     ハイタカSP  西向き  7

 今年はサシバやノスリが順調に数字を増やしています。ひょっとしたらノスリが4桁になるかも???
 帰省先から電話してきたトビ吉おじさんもそのようなことを言っていました。

本当のところはどうなるのでしょうか?残りの観察期間中にドラマが起こるのでしょうか?

 まだまだ渡り観察の楽しみが続きます。




今日の観察~10月15日

2009年10月15日 | タカの渡り観察
立てばビクセン 座ればキャノン 歩く姿はライカかな

 荒れ模様だった昨日の天気のあと、今日は期待して観察地にかけつけました。

 しかし、出足は不調。立っても座っても見えるように支度をしたのに、、、、



 今日初めてのサシバはC山から、そのあとすぐにC山に6羽のノスリが浮かび上がり、B山の山抜けから4羽のノスリもだんだんと高度を上げ、塒だちらしい渡りを楽しむことが出来ました。

 しかし、B山方面が忙しかったのはそれまで、その後の渡りのほとんどは南側に集中しました。A山ではノスリ20羽の柱も立ちました。

 B山方面を集中的に見ていたタカ長。「北側さんがヒマになったよぉ」

 と言ったら○○党に叱られるかなぁ。

 でも、今日の渡りは南さんの一人勝ちでした。

今日の結果

  10月15日    晴

   観察者    タカ長 ジューヤク 二位の方 カメ吉
   観察時間   8:00-16:30

    ノスリ           275
    サシバ            6
    ツミ             9
    ハイタカ    東向き  19
    ハイタカ    西向き  1
    ハイタカSP  東向き  4
    ハイタカSP  西向き  9

 これ以外にハイタカ属のタカが4羽以上観察地の周りを遠く近く飛び回りました。その行動が分からないので上記の数字には入れていません。

 近くを飛ぶときはカメ吉おじさんは撮影に専念していましたが、ハッと気がついたらカメラの撮影モードがポートレートになっていたようです。

 ハイタカもポートレートを撮ってもらって喜んでいますよ。

 タカをポートレートモードで撮ったらどのような写真になるのかチョッと興味がありますね。



今日の観察~10月14日

2009年10月14日 | タカの渡り観察
天気の変わりやすい一日でした

 観察地について観察の支度を始めようとしたら小さな雨、、、。

 その雨がだんだんと強くなってきたので繰るもの中に避難して様子を見ることにしました。9時まで様子を見て雨が上がらないようなら引き上げるつもりでいるとジューヤクがやってきました。車の中で雨を避けながら雑談していたら9時半頃には明るくなってきてアッと言う間に快晴状態に、、、、。これでは帰ることは出来ません。

 観察準備を済ませると間もなハイタカ属が出始めて、10:28に最初のノスリが観察地の前に浮き上がりました。遅い塒だちのような感じです。その後昼前までは少しずつ出ましたが午後はほとんど出なくなりました。

 所用のため14時に観察終了。

今日の結果

  10月14日   弱雨のち晴のち雷雨あり

    観察者    タカ長 ジューヤク
    観察時間   8:00-14:00

      ノスリ           19
      ハイタカ    東向き  6
      ツミ            6
      ハイタカ    西向き  1
      オオタカ    西向き  1
      ハイタカSP  西向き  3


 この何日間か渡りと決め付けられないオオタカやハイタカが観察地の周りに出現します。もちろん渡りの数字には入っていませんから、最近は数字以上に楽しめる(?)と言うことでしょうか。

 タカ長観察地としては最大級のヒヨドリの渡りを観察しましたが、残念ながらカメラの準備が出来ていなかったので撮りにがしました。


ベトナムで見た鳥~その2

 タカ長観察地のコリ吉おじさんは鳥とカメラのキャリアーが永くていわば先生役でもあります。そのコリ吉先生の話では

 「小鳥の写真は目が光っていて、ヒゲが写っていないと、、、」

 と言うことになるようです。

 ベトナムで撮った写真にそのような写真がありました。



 ハノイの郊外Ba Vi(バビ)国立公園の山頂近くの展望台で撮影しました。標高900mくらいのところです。



 キンノドゴシキドリ

 展望台のすぐ近くのこの木の実を食べていました。これだけ木の実があると目移りするのか、それともグルメな鳥なのかこの実を嘴で確認して気にいったものだけを食べていました。そのためにゆっくりと撮影する時間があったわけです。



 カメラは例の3.5万円のタカ長カメラですが、いい具合に展望台の手すりに両肘を置いて撮影できたので望遠撮影でもブレなかったのでしょう。タカ長としては上出来の写真です。今回のベトナム旅行ではこれが最初で最後の合格作品(?)です。

 この写真ならコリ吉先生に見てもらうことが出来そうですが、、、、、、どうしようかなぁ。


今日の観察~10月13日

2009年10月13日 | タカの渡り観察
連休疲れ?~静かな観察地でした

 終日静かな観察地でした。特記事項としては、、、、

 タカ長の留守にジョウビタキ♂初認くらいです。時には数十羽も飛ぶカラスも今日はほとんど飛びませんでした。鳥様も連休疲れ???







 ヒマなのでこのような写真を撮って楽しみました。天使の階段、天に登ると言うことでしょうか。この光の線の上にノスリ30羽くらいが柱になっていたら面白い写真になりそうですが、、、、、、そのようなチャンスの気配さえ感じられない今日の観察地です。

今日の結果

  10月13日    晴

   観察者    ジューヤク コリ吉 二位の方 タカ長
   観察時間   8:00~15:30

     サシバ            1
     ノスリ            15
     ハイタカ    東向き  11
     オオタカ    東向き   2
     ツミ      東向き   1
     ハイタカSP  西向き   4


 タカの数は少なくても種数だけは多いこの時期の特徴は続いています。まだまだ秋の渡りは続きそうです。




今日の観察~10月12日

2009年10月12日 | タカの渡り観察
ノスリがやっとやって来ました

 今日の観察地、朝はヒマ。数少ない白雲の中からハイタカ属を探している状態で、大きなタカは見えませんでした。渡らないのか見えないのか、とにかくタカを一つ見つけるのに苦労する状態でした。








 そのようなときにノビタキが観察地の前にやってきたのでチョッと撮影。

 しかし、13時台を中心にノスリがやって来ました。10羽か15羽程度の飛来が続き、12時台と13時台だけで90羽のノスリを記録しました。やっとのスリの季節がやって来た感じの今日の観察地です。

今日の結果

  10月12日    晴

   観察者    ジューヤク タカ長 カメ吉 カンヌシ 他
   観察時間   8:00-16:00

     ハチクマ          1
     サシバ           5
     ノスリ          160
     ハイタカ    東向き  14
     ハイタカSP  東向き   2
     ハイタカSP  西向き   1
     ツミ             9
     チゴハヤブサ       1
     大型不明         6

 やっと秋の渡りらしくなったタカ長観察地です。これからはノスリと東向きハイタカに期待することになるのですが、、、、、、。

ベトナムで見た鳥

 ベトナムで見た鳥、と言っても3.5万円のタカ長カメラを持って行っただけですから紹介できる写真は多くありません。が、最初はタカ、画質は別にしてタカの写真を最初に紹介します。





 ハノイ郊外のバビ国立公園。一日の探鳥を終えて車に乗ろうとしたら前方からタカが飛んで来ました。ガイドのマーさんは一足早く飛び出してバッチリゲットしましたが、私は3枚撮るのがやっとでした。1枚は露出が出鱈目で、残りの2枚がこれです。

 マーさんの説明ではマダラチュウヒの幼鳥とのことです。観察に専念した人は胸の赤もバッチリ見たようです。陽が西に傾いていたので余計に赤く見えたのかも分かりません。

 この写真で幼鳥の特徴が見えるでしょうか?




今日の観察~10月11日

2009年10月11日 | タカの渡り観察
ドラマの無い一日でしたが、、、、、

 今日は地元の氏神様の秋祭り。団地新聞用の写真を撮ったあと早々に観察地に駆けつけましたが、これと言ったドラマの無い一日でした。



 小さなドラマと言えばこれくらい。これだけのカラスが1羽のサシバにモビングされています。カラスに進路をふさがれたサシバは東へ東へ移動しながらカラスともみあっていました。もみ合っていたのはカラス対サシバだけではなくてカラス同士ももみ合いをしていました。

 帰宅して数枚撮った写真を見るとサシバらしい鳥を見つけるのに苦労しました。何とかそれらしく見えるのがこの写真、右上でもみ合っているのがサシバのようです。
 写真で見ると黒いカラスも光に反射しているためか白い鳥に写っていたり、この写真のように羽が透けて見えるのもありました。光のいたずらも面白いですね。

今日の結果

  10月11日   晴
  
   観察者    ジューヤク タカ長 カメ吉 キョージュ
   観察時間   8:00~16:00

     ハチクマ          1
     サシバ          10
     ノスリ           5
     ハイタカ    東向き  10
     ハイタカ    西向き  1
     オオタカ    東向き  1
     ツミ            8
     ハイタカSP  東向き  2
     ハイタカSP  西向き  6

 所用で少し早く帰宅したあとサシバ8羽の柱(?)が出来たり、東向きハイタカが3羽出たそうです。今シーズンはタカ長がいないときにドラマが起きるようです。

 そろそろこの流れを変えたいのですが、、、、、、、

今日の観察~10月10日

2009年10月10日 | タカの渡り観察
久しぶりに現場復帰しました

 二週間のベトナム探鳥旅行を終えて久しぶりに観察地に出勤(?)しました。

 自分たちの観察地に立つと落ち着いた気分になります。「故郷は有り難きかな」と言うことでしょうか。

 旅行中は出来るだけネットで観察結果をチェックするように心がけていましたから数字的なことは連絡しあうこともありません。今ではこんな雑然としたこんなところで、と思うようなところでもネットは張り巡らされています。また携帯にメールすればすぐに返信をもらうことも出来ます。本当に便利な世の中になったものです。

 久しぶりに観察地に立って、残り少なくなったハチクマの撮影にトライしましたが思うに任せませんでした。飛んでいるタカを写すにはそれなりの腕と機材が必要なのでしょう。



 多少でも近いところを飛んでくれたら逆光だったり、光線状態の良いところを飛んでいるときはそのチャンスを逃したり、、、、思うに任せません。



 これくらいの距離を飛んでくれるとタカ長カメラでも何とか対応できるのですが、しかし相手がこれではねぇ。もっとも私の腕ではこのタカを撮るのが相応なのでしょうか?

今日の結果

  10月10日   晴

   観察者    トビ吉 タカ長 ジューヤク キョージュ 二位の方 コリ吉 カンヌシ
   観察時間   7:30~16:00

     ハチクマ            6
     サシバ            55
     ノスリ              9
     ツミ              11
     ハイタカSP  西向き    8
     ハイタカ    東向き   20
     ハイタカSP  東向き    5
     チゴハヤブサ         1

 サシバの渡りは続いています。と言えばよその観察地の人には奇異に思われるでしょうが、タカ長観察地としてはこれだけサシバの渡りが続くことは珍しいのです。何かしら雰囲気がいつもとは違う今秋のタカ長観察地です。


ベトナムから無事帰宅しました

2009年10月09日 | 旅行のことなど
ベトナムから無事帰宅しました

 今朝5時過ぎに関空に到着、無事に帰宅することが出来ました。今回のベトナム探鳥旅行では色々得がたい経験をしましたが、何はさておき少々ショッキングな経験を紹介します。



 9月29日朝のフエの状況です。
 
 その頃ベトナム中部の都市フエには大型で強烈な台風が向かっていました。私たちは予定変更してフエを脱出、ハノイに向けて非難を始めました。



 もちろん河を走っているのではありません。前夜は何も無かったホテル前の道は一夜で川の状態、水位は見る見る増えている状況でした。この状況ですから飛行機は飛びません。この状況を予期して急遽予定変更、ベトナムでのすべてを世話して頂いた探鳥ガイドの適切な判断で前夜ハノイから呼んだ車が10時間かけてホテルの到着し、私たちはその車で早々に台風接近中の強風の中を北に向けて避難することになったのです。



 左前の木は根こそぎ倒れています。枝が折れて道をふさいでいるところをスキーのスラロームのように避けて冠水していない幹線道路に出てひたすら北上しました。



 高速で走っている車の中からですから思い通りの写真は撮れませんでしたが、これは北に向かって走っている車の左側、つまり西側を写したものです。ご存知のようにベトナムには東側には海がありますが西側には海はありません。つまりこれは田園地帯が冠水しているところです。

 海でない証拠には電柱が続いていたり、この写真のように緑の木立が続いていました。その広さは相当なもので、少しオーバーに言えば突然琵琶湖が出現したような状況でした。

 そのにわか琵琶湖が白波を立てているのを何度も見ました。



 所によっては道路のすぐそばまで水が迫っているところもありました。

 そのようなところをまるまる12時間かけてハノイの南西のセンティ自然保護区に避難することが出来ました。

 そのときは得がたい体験をしていることを実感していただけですが、その後のフエの状況が分かるに従いぞっとしました。北上する私たちのガイドのもとには彼の友人からフエは悲惨な状況になってきている旨メールが入ってきましたが、その日の夕方の時点で死者は23名、少しあとにはその数字が44名になり、その後も増えているようですが私はその詳細をつかんでいません。

 もし、フエのホテルに軟禁状態になれば命の危険はないにしてもその後の行動計画はずたずたになってしまって、何のためにベトナムまで行ったのか分からない状態になっていたはずです。そのことを思ったときゾッとしたわけです。現地の国営放送では国道が遮断されて走れなくなった大型バスなどが何台も連なっているところなどフエの状況が何度も放映されていました。

 このように機敏に対処できたのはガイドをお願いしたMr.Le Manh Hung(以下マーさん)の適切な判断と彼を信じて予定変更を即断即決した私たちのグループのまとまりのよさがあったからだと言えます。

 おかげさまと言ってはいけないので予定変更したために当初は」2ヶ所で探鳥する予定が4ヶ所に行くことが出来ました。そして帰国の日の台風18号も東にそれて予定通り帰国出来ました。

 終わってみればめでたしめでたしの旅でした。その話は写真の整理が出来てからとさせて頂きます。

ともあれ全員無事に帰宅したことをとりあえずお知らせします。

 留守中にも更新できていないこのブログにたくさんの人がアクセスして下さいました。心からお礼申し上げます。