きょう20日の沖タイ、豚コレラ関連報道
■一面中段
7養豚場 防疫作業完了
豚コレラ 制限域の検査続く
防疫作業完了とあるからワクチン接種完了と思いきや、ここでいう防疫作業とは、豚の殺処分・埋却・清掃・消毒などを指し、ワクチン接種は依然として着手されていない。
昨年末豚コレラが発生して以来約1カ月経過するというのに、県は今頃対策会議を開き、感染防止のためのワクチン接種の是非を論議するという。
その間、無為無策でただウロウロするしか能のないデニー知事に対して、野党のみならず与党側からも批判の声が浮上している現状である。
首里城炎上の時は、「再建を急ぐより原因究明が先」という民意が圧倒的だった。
ところがデニー知事は民意を無視して、原因究明は疎かにして首里城再建の募金活動などが先行した。 もちろん、沖縄2紙はこれを支援・扇動した。
デニー知事や沖縄2紙が、原因究明をさておいて、急ぐ必要のない再建に向けて急発進した理由は、デニー知事の個人的事情があった。
首里城炎上の約1カ月前に浮上したデニー知事の官製談合疑惑(会食癒着疑惑)を隠蔽するための個人的事情だ。(実際に首里城炎上以後、沖縄2紙の紙面から官製談合疑惑の記事は見事に消え去った。)
デニー知事の目論見は見事に成功した。
首里城炎上の約1か月後に起きた豚コレラ発生では、デニー知事は首里城炎上とは真逆の対応をし、無能知事の本領を発揮した。
豚コレラでも発生原因の解明は不可欠だが、それより優先するのはこれ以上の豚コレラの感染拡大の防止の対処策だ。
首里城炎上を目前して、消火の是非を鳩首協議しているのがデニー知事率いる沖縄県政。
必要なことは速度であって、議論ではない。
初発の発生は12月20日、既に1カ月も経過しているので致命的な遅れである。
既に充分遅れているのに、今週また会議をしてワクチン接種の是非を決めるとは、開いた口がふさがらない。
危機感を感じた農林相はいち早く沖縄に飛び、デニー知事に「感染拡散防止のためのワクチン接種」を勧告した。
ところが危機感の欠如したデニー知事は「養豚業者の意見を聞いて検討す」などと寝言を繰り返し、本日(20日)現在、ワクチン接種の目途はたっていない。
堪りかねた県内の養豚業者団体がデニー知事の頭越しに、農林大臣に直訴する有様。
農林大臣は「デニー知事の決断次第」と、無能知事の最終決断を待つ状況だ。
デニー知事が豚コレラに対して行った唯一の行動は「汚染された豚肉を食べても問題ない」を繰り返し、風評被害の防止に努めたくらいだ。
だが、風評被害の防止は手遅れだ。
風評被害といえば根拠のない噂により害をうけることを指し、特に事件や不祥事・事故災害・不適切な虚偽の報道等それらを原因とするデマによって、事実に全く関係のない企業団体や個人などが、生産物やサービスの品質低下を懸念されて消費や取引を敬遠されるなどの大きな損害を受けることを指す。
早速琉球新報がデニー知事の風評被害防止に協力すべく、「豚コレラ」の用語を「豚熱」と表記するらしい。
■琉球新報が拡散した風評被害
琉球新報が撒き散らした風評被害は、豚コレラどころの騒ぎではない。
思いついただけでも「市民」「新基地建設」などデタラメな呼称で県民に対してもたらした重大な風評被害は現在でも拡散中ではないか。
改めて言うまでもないが琉球新報が報じる「市民」とは県外から来た活動家を含む「プロ活動家」のことであり、一般の沖縄県民や市民ではない。
「新基地建設」という報道は、新たな米軍基地を建設するように受け取られるが、実際は「普天間移設」あるいは「辺野古移設」のことである。
誤解のないように「新基地建設」を詳しく説明すると、こうだ。
住宅密集地に隣接し「世界一危険な米軍基地」と言われる「普天間基地」を辺古材の米軍基地キャンプシュワブ内に縮小(約三分の一の規模)統合するこことである。
琉球新報が報じる「新基地建設」とは「住宅密集地に隣接する普天間基地を比較的人口の少ない辺野古に既設の米軍基地キャンプシュワブ内へ縮小統合」ということになる。
1986年10月以来の沖縄県内での発生となった「豚コレラ(CSF)」について、琉球新報は17日付の記事から「豚熱(ぶたねつ)(CSF)」の表記を使用します。アジアで感染が見られる「アフリカ豚コレラ(ASF)」は「アフリカ豚熱(ASF)」とします。
豚コレラの表記は定着していますが、人間がかかる「コレラ」とは別の病気であるにもかかわらず、人間にも感染するという誤解や不安につながることが指摘されています。政府与党は20日に開会予定の通常国会に名称を変更するための法案を提出する予定です。琉球新報は、不要な風評被害を防ぐという立場から、表記を変更します。
用語が定着するまで当面は「CSF」「豚コレラ」を併記します。
琉球新報社
最終更新:1/17(金) 13:19
琉球新報
さて、一般的に風評被害と言えば最近では福島県産農産物の「放射能被害」を思い出すが、なんといっても最大の風評被害はハンセン病の風評被害だろう。
ハンセン病は、最近でも風評被害の当事者に対する補償問題が報道されるが、昔はらい病と呼ばれ人に感染すると言われていた。実際は人に感染することは少ないにも関わらず(※)、多くの人が隔離をされ、強制的に断腫された人もいた。
最近でも平成15年(2003年)、熊本県の温泉ホテルがハンセン病の元患者の宿泊を拒否した事件がニュースで取り上げられたのは記憶に新しい。
※「らい菌」は感染力が弱く、非常にうつりにくい病気です。発病には個人の免疫力や衛生状態、栄養事情などが関係しますが、たとえ感染しても発病することはまれです。現在の日本の衛生状態や医療状況、生活環境を考えると、「らい菌」に感染しても、ハンセン病になることはほとんどありません。(日本人新規患者数:2007年1人、2008年3人、2009年0人)
ハンセン病に風評被害は「元患者や家族に対する差別」という深刻な問題に形を変え現在でも日本の社会問題として横たわっている。
琉球新報に告げる、豚コレラ豚熱と呼称変更しても、一旦拡散された風評被害を払しょくすることは至難の業である。
ライ病をハンセン病と呼称変更しても風評被害が差別というより深刻な社会問題化しているのと同じだ。
【おまけ】
ハンセン病の風評被害として筆者に強烈な印象を与えたのが松本清張『砂の器』。
名匠野村芳太郎監督の映画版『砂の器』(監督野村芳太郎)は昭和49年に映画化され、これを見た印象は、父親がライ病に罹患した主人公が少年時代、風評被害のため村八分となって全国をさまよう姿が映像として強烈な印象を与えた。
物語は、将来を嘱望された作曲家の主人公が、音楽界での成功ばかりでなく、大物政治家の娘との婚約も決まり、着実に名声を得つつあった。
ところが、彼の正体を知る元巡査が現れ、実は主人公の正体はハンセン病者の息子ということが世間に知れ渡る危機に瀕する。
自分の正体(ハンセン病患者の息子)が暴露され、社会的名声を失うのを恐れた主人公が元巡査を殺害することから松本清張のミステリーは始まる。
この作品には「業病」という言葉が頻出する。かつてハンセン病(らい病)は遺伝性のものと考えられ、「業病」などと呼ばれ、前世の罪の報い、もしくは呪われた一族の病との風評があり、ライ病を発病することは少なからぬ罪悪を犯すことと同義とされ、村八分の対象となった。(「親の因果が子に報い」との迷信による風評)
この風評が現在では考えられないほどの風評被害を当事者にもたらした。