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26日の文科省発言で、翌27日の沖縄2紙はお得意の「発狂記事」で紙面を埋め尽くした。
ところが既に負け戦を察したのか、昨日の沖縄タイムスは静かなもので琉球新報も「ゾンビの会」の抗議の記事のみ。
タイムスも新報もそれぞれ負け犬の遠吠えのような内容の社説を書いているが、一々相手をしている暇はないのでリンクのみでコメントはスルーする。
■八重山日報 10月28日
教科書問題
「東書」版採択署名活動へ
住民の会文科相発言に抗議
竹富町への公民教科書無償給付を停止するとの中川文科相発言を
受け、子どもと教科書を考える八重山地区住民の会(村田栄正ら共
同代表)は27日、発言への抗議と撤回を求める声明を出した。住民
の会は近く市内で、八重山地区の公民教科書に東京書籍版採用を求
める署名活動とチラシ配布を展開する。声明文はこの日、中川大臣
あてに送付された。
声明で中川大臣発言は「一般法と特別法の観点からも誤ってい
る」と指摘。県教委の見解も踏まえ、東京書籍版が採択された全員
協議会(9月8日)が合法的な決定であると主張する。
さらに発言は、竹富町の教科書採択権を認めてはいるものの、東
京書籍版を自治体が購入して生徒に配布するのは、国に対し義務教
育の無償化を定める憲法26条に違反すると断じている。
石垣市役所で会見した村田共同代表は「軽はずみで、絶対許せな
い発言だ。国に代わり町が教科書費用を負担するのは問題。自治体
が費用負担を拒否したらどうなるのか」と疑問を投げ掛けた。
出席者からは「試合の途中で突然ルールを変えられた」「日替わ
り発言でそのつど(関係者が)振り回される」など、文科相発言に
批判が続出した。
地域の関心を高め、八重山地区で東京書籍版の統一採択を実現さ
せるため、住民会は準備が整い次第、市内で署名活動を行う。さら
に、全国的な連帯を図るため、マスコミ大手への働き賭けも強化す
るという。
大浜敏夫事務局長は「保護者を含め、住民の力を合わせて、一日
もはや久問題の解決を図りたい」と強調した。
■八重山毎日新聞 10月28日
「国から見捨てられた」
教科書問題で竹富町
文科相発言に怒り広がる
町議会も反発「予算通らない」
来年4月から郡内の中学校で使用される公民教科書で教科用図書
八重山採択地区協議会の答申(育鵬社)と異なり、東京書籍を採用
した竹富町教育委員会について中川正春文部科学相が無償給付の対
象外との文科省見解を示したことに27日、町内の保護者や町議から
「ひどい」「竹富町だけ国から見捨てられた」「こんなバカな話が
あるか」などと抗議の声が広がった。町議会の西大桝高旬議長も
「議会に予算が上程されても簡単には通らない」と猛反発した。
前日のニュースで文科相発言を知った竹富町PTA連合会の宇根信
夫会長は「ひどい」と嘆き、「子どもたちは無償で義務教育を受け
る権利、保護者には受けさせる権利があることを忘れてしまってい
るのではないか。竹富町教委が悪いような指摘がされているが、竹P
連は町教委を信じている。間違っていない」と訴えた。
西大桝議長は「憲法問題まで踏み込んだ議論も必要になり、特別
委員会を設置しなければならなくなるのではないか」と議会に波及
することに不快感を示し、「全国を騒がせた3市町教委に道義的責
任がある。意見をまとめきれなかった責任をとるべきだ」と3市町
教委のこれまでの対応に異議をとなえた。
新田長男副議長は「竹富町だけ国から見捨てられた形」と批判、
宮良用範氏は「教育行政の中で竹富町だけ有償というバカな話があ
るか。こんな発言があってはならない」と語気を強めた。東迎一博
氏は「国と県の間でもう少し調整してほしかった。教育の機会均等
を図る観点からも(大臣発言は)いかがなものか」と疑問を呈し
た。
大臣あてに抗議声明を出した子どもと教科書を考える八重山地区
住民の会共同代表の1人、村田栄正氏は「無償措置法に反する発言
で、絶対許せない」と怒り心頭、「竹富町が自前で購入しないこと
になれば、保護者の個人負担になる。そうなると国は法違反にな
る」と指摘した。
「憲法違反だ」
文科相に抗議声明
住民の会
子どもと教科書を考える八重山地区住民の会は27日、市役所内記
者クラブで会見し、中川正春文科相の発言に対し「大臣は日替わり
発言を繰り返しており、地元や県民を愚弄(ぐろう)するものだ」
と抗議する声明を発表した。同日付で大臣あて発送した。
声明は「地元と県が無償措置法に基づいて取り組んできた(9月8
日の)全員協議の成果をまったく無視したもの」と糾弾。特別法と
される無償化措置法に基づく「全員協議」の結果が優先されるべき
ものだと主張し、「大臣発言はこれを無視した違法なもの」と指摘
した。
さらに「法的拘束力のない答申に従わなかった竹富町教委の採択
を不利益に取り扱うものであり、竹富町の公金で教科書を購入し、
生徒に無償供与することは、義務教育の無償化を求める憲法26条2
項にも違反する」としている。
住民の会は、9月8日の全員協議で採択された東京書籍版公民教科
書を認めるよう引き続き要求していく考え。PTAや住民らに働きか
け、署名運動やチラシ配布を行うとしている。
☆
26日の文科相発言に対し保革両陣営から批判の声が噴出している。
文科省や県教委の助言・指導に拘束力がないというのなら、文科相発言も実務上「緊急避難」としてはやむを得ない面もあると書いた。
が、文科省は法令違反をした教育委員会には「是正勧告」が出来るという。
当日記は、コメント欄の「町経費購入は阻止すべき」という次の読者コメントに全面的に同意する。
>憲法26条は「義務教育は、これを無償とする」と謳ってはいても
>「教科書を無償にする」とは謳っていない。
細かいことまで書いていたら憲法は膨大なものになってしまいます。
確かに、義務教育の無償とは授業料のことであって、
教科書代は含まれていないというのが最高裁の判例ですが、
教科書無償措置法は憲法26条の趣旨から制定されたのです。
ですから教科書無償の財源は国費であって、自治体ではないのです。
「無償措置してもらえなかった。ざまあ見ろ」と喜んでいる
保守派もいるそうですが、とんでもない。
左翼の主張だからと否定していたのでは非論理的になってしまいます。
今回の「決着」は教科書無償制度の破壊であって、
左翼の言っている「憲法違反」の論理は正しいのです。
ただし結論は「竹富町も育鵬社を採択したのだから、
育鵬社を使用しなければいけない」ということです。
竹富町教委が憲法違反を主張して提訴すれば間違いなく敗訴するだろう。 だが、憲法の精神から言えば、竹富町町民が憲法の恩恵から除外されることは法治国家として由々しき問題である。 その原因が慶田盛教育長の暴走にあるとしても、である。
そんな中、八重山毎日の記事で、竹富町議会の西大桝高旬議長の次の発言が目をひく。
「全国を騒がせた3市町教委に道義的責任がある。意見をまとめきれなかった責任をとるべきだ」。
西大枡議長は竹富教育委とは対立意見の石垣、与那国の2市町の対応だけを批判しているのではない。
竹富教委を含む3市町教委のこれまでの対応に異議をとなえているのだ。
ということは竹富町教委の対応も批判の対象にしていることになる。 というより騒動の元凶は慶田盛教育長のルール破りであることを暗に批判しているのではないか。
新聞報道を見る限り、竹富町民が一丸となって石垣、与那国の両教委を批判しているようだが、西大枡議長の発言から推測するに、竹富町民の中にも憲法の精神から竹富町民だけが適用除外になる屈辱は、慶田盛教育長の暴走のせいであると認識する人が増えているのではないか。
慶田盛氏の暴走と認識しても「全体主義の島」の呪縛が自由な発言を阻害しているのではないか。
文科省の指導・助言には拘束力がないと書いたが、昨日のエントリーの記事で次のくだりに注目したい。
「法令違反に対し、地方行政教育法に基づいて国が教育委員会に行う「是正勧告」も見送る方針の模様だ」(八重山日報 10月27日)
文科省は例え判例があるとはいえ、憲法の精神を自ら侵害するような措置をするくらいだったら、法令違反が明らかな竹富町教育委と竹富教育委の法令違反を支持している県教委に対して「是正勧告」を実施すべきではないのか。
【追記】14:17
地方教育行政の組織及び運営に関する法律
これに対して竹富教委と県教委が納得できないなら、その時こそ法廷の場で黒白をつければよい話である。
教育問題に裁判沙汰は似つかわしくないなどと、それこそ日頃の論調からは似つかわしくない社説を毎日が書いているが、10月27日の毎日には次の記事が・・・。
市民団体
行政訴訟の動き具体化
全員協議の有効性確認へ
八重山地区の公民教科書をめぐり、住民グループが9月8日の全員協議の有効性を確認するための行政訴訟を具体化させている。
24日、弁護士と原告適格や提訴のタイミングについて話し合った。
住民の視点で教科書を選ぶ会が準備を進めており、メンバーの1人、新垣重雄さんは「司法の場で判断するのが公平だ」と話している。 公民教科書は中学3年で4年間使用するため、新垣さんによると、直接の不利益を訴えることの出来る原告は現小学校5年生から中学二年生。実質的には児童生徒の保護者となる。新垣さんは「原告適格を備えた保護者もおり、なるべく早く提訴したい」と述べ、子どもと教科書を考える住民の会とも協議しながら進めたいとの考えを示した。
☆
訴えるのは勝手だがみすみす負ける裁判をして恥さらしをするより、同じく父兄の「原告適格者」で法令違反で竹富町民に「町費支出」という不利益をもたらした慶田盛教育長を提訴した方が間違いなく勝訴できると思うのだが・・・。
だらだらと書き綴ったが最後に要点を言う。
中川文科大臣は法令違反をした竹富町教委と県教委に対し、「有償給付」などの姑息な「指導」は即刻撤回し、
直ちに「地方教育行政法」に基づく「是正勧告」を実施せよ。
竹富町民の「原告適格者」は、町民を混乱させ不利益をもたらした理由で、慶田盛教育長を提訴せよ。
【おまけ】
以下引用は、八重山教科書問題に関する石垣市民の若い読者の感想文です。
☆
八重山教科書問題は当初教科書会社が問題視され、無償教科書採択後は教科書の採択手法が問題視されている
無償教科書採択協議後の、前教育委員による臨時会での無効宣言・再採択は無意味である
この手法がまかり通るなら、全国どこでも似たようなことが起こる前例を作ってしまうだろう
例えて言うなら、議会で決を採った後にそれを不服として別な協議を設け採択、それを是とするのは私が学んできた民主主義とは相容れない、先生方自ら教えてきたことに反する行動を取るのは何故か?
仮に、思想主張を通そうとしているのなら先生方に悲哀を感じてしまう
公民という教科書は公の中の民、国家と国民の関係、あり方を学ぶもの
公の中に個人を立脚し、それを学ぶに当たって、育鵬社の教科書を選定委員が相応しいと判断し、多数決した結果は尊重すべきではないだろうか?
育鵬社の歴史教科書の歴史認識を批判される方々もいる、
しかし、議論の本質は育鵬社の歴史教科書についてではない、選択された「育鵬社版の公民教科書」が相応か否かではないか
それと、歴史教科書の中で、沖縄戦記述に問題があるとされる会社の「公民教科書」で学ぶことによって子供達の右傾化を危惧する方々がいる、私は、他社さんは読んではいないが、「育鵬社の公民教科書」の中で、反対派の方々が危惧する指摘部分を読むに当たり、これで学ぶことによって「軍国少年が育つ」とおっしゃるのは言いがかりもはなはだしいと感じる
究極、教科書をダシに、政治問題化を狙ってイデオロギー闘争をしているのではないか
イデオロギー闘争はもはやアナクロではないだろうか?
世論調査を見ても支持政党に無党派層が多く増えているのがわかる
政治に無関心な層が増えたこともあるだろうが、保守・革新、どちらにも属さない中間層が増えている証左の一つであると考えられる
世界ではインターネットの発達によって、様々な情報が飛び交い、Face BookやTwitter等に代表されるように、新しいコミニュケーションツールを駆使し、若者世代のソースや価値観は日々変化を遂げている
新聞やテレビ等の既存マスコミもネットを駆使するが、カーボンコピーに過ぎず、マスコミのままの報道を鵜呑みにする若い世代は少なくなってきているのではないか
今、世界中の人々が変革を叫んでいる、多くは新コミニュケーションツールを駆使する若い世代が中心だ
エジプト、シリアを始めとしたアフリカ諸国や中東、果てはイギリス・アメリカまでもが民衆の格差を背景にデモや暴動が起きている
そこにイデオロギー色は少ない、共通点は一つ「安定した生活」だ
グローバリゼーションの台頭で、国内の地方も激しい競争社会に組み込まれた
リーマンショック以降、危機的状況にある日本経済を襲った東日本大震災の波は、ここ八重山でも観光客の減少となって襲い、さらに厳しい競争を強いられているのだ
中間層を含む石垣市民の多くは言う
「こんな教科書などで議論をしている時間は無い、やるべきはまだ他にある」
至極当然、しかし、これを片付けずして「しこり」となってもまたイデオロギーの火種になるだけだ
故に教科書問題だけでもケリをしっかりとつけるべきではないだろうか
新価値観を共有する若い世代の中間層の多くは変革を望んでいる
それは、アナクロニズムなイデオロギー闘争からの脱却だ
保革闘争の中でもこのような古いほうの価値観はそろそろ引退すべきではないだろうか?
今回玉津教育長はあえて育鵬社を俎上に上げた
反対意見が多く出るであろうこの行動の裏には、氏の教育には信念がしっかりとあり、イデオロギー闘争と無縁だからこそこのような決断ができるのだと感じた
私が玉津教育長を応援するのは、呪縛とも言うべき保革闘争からの決別宣言である
了
■カンパ協力のお願い■ 琉球新報の言論封殺に対し、徒手空拳で戦いを挑んでいるドキュメンタリー作家上原正稔氏の「パンドラの箱掲載拒否訴訟」の第4回公判が2週間後の11月8日(火)、午前11時より那覇地裁で行われます。 これまで皆様のカンパにより戦いを継続してきましたが、沖縄のマスコミから村八分状況の上原氏は現在闘争資金に不足をきたしています。 担当弁護士の先生も手弁当で支援して下さっていますが、打ち合わせ等をするにも交通費等の出費を無視できません。 沖縄の閉塞した言論空間に戦いを挑んでいる上原さんの訴訟にカンパ協力をお願いしております。 三善会は、平成23年1月31日に上原正稔氏が琉球新報社を提訴した裁判「パンドラの箱掲載拒否訴訟」を支援する為、皆様の支援金のご協力のお願いを致しております。 支援金は、裁判の支援・報告会・講演会等の開催や広報活動等に活用させて頂きます。 -------------------------------------------------------------------------------- よろしかったら人気blogランキングへ クリックお願いします
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