狼魔人日記

沖縄在住の沖縄県民の視点で綴る政治、経済、歴史、文化、随想、提言、創作等。 何でも思いついた事を記録する。

流失議事録、調査員推薦でも衝突

2011-10-22 19:40:48 | 八重山教科書採択問題

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■八重山日報 10月21日

「歴史観」めぐり対立
[教科書問題・流出議事録]
調査員推薦でも衝突
 中学校教科書を選定した8月23日の八重山採択地区協議会(会
長・玉津博克石垣市教育委員長)の議事録が「流出」し、委員間の
やり取りが明らかになった。歴史、公民教科書で「正しい歴史観」
や「調査員(教員)の推薦の有無」をめぐって、委員同士が激しく
衝突した様子がうかがえる。 (2面関連)

♢「正しい歴史観」
 委員「正しい歴史観を教えていきましょうということです」
玉津会長「正しい歴史観とか、本当の歴史はというのは、それを
言ってはいけないと思います」

 沖縄戦で、日本軍が県民に加害行為をしたと明記した帝国書院版
などと、米軍の猛攻で県民が集団自決に追いやられたとする育鵬社
版。事実上双方を念頭に、どちらが八重山の教科書にふさわしいの
か、委員が応酬した。

崎原用能副会長(与那国町教育長)「歴史を勉強するのは難しい問
題。裁判所で闘争するものでもない。裁判官は歴史の専門家でもな
い。子どもたちへ先生の主観を教えてはいけない」
委員「事実をとらえた教科書を選びたい」
崎原副会長「摩文仁から飛んだ婦人の皆さんは、恐らく渡嘉敷や慶
良間で集団自殺した人間よりも多い」

 ここで「正しい歴史観」をめぐり、玉津会長と育鵬社版に反対す
る委員が衝突。冒頭のやり取りが起きる。委員はさらに反論した。

委員「子どもたちへ正しい事実に基づいた歴史観を植え付けてい
く、育てていくことによって、ひいては大人になったときに正しい
歴史観につながっていく」
崎原副会長「あったことは教えてもいいけれど、これが時事だよと
先生が言うべきではない」
慶田盛安三副会長(竹富町教育長)「集団自決に関しては大きな問
題ですから、これを忘れてはいけない。07年の11万6千人が集
まった県民大会。
41市町村で行われた意見の採択など、こういう
ふうなことを考えてみても…」

集団自決に対する軍命の有無をめぐり、水掛け論のような意見交換
が続いた。
 社会科の教科書選定に先立ち、玉津会長は「できるだけ教科書名
を、名前を言わないでの推薦をお願いします」と提案。意見交換は
具体的な教科書名を出さずに進んだ。
 無記名投票の結果は、帝国書院版4票、育鵬社版3票、東京書籍
版1票だった。

♢調査員の推薦
 公民教科書をめぐっては2委員が「公民と道徳との横断的な内容」
「思考力、判断力、表現の育成」という観点で選んだーと述べたほ
かは発言がなかった。無記名投票の結果は、育鵬社版5票、東京書
籍版3票だった。
 数学教科書の選定に入ろうとしたとき、委員の1人が「決まった
公民のことですが…」と異論を提出。玉津会長は「議論を蒸し返す
ことになる」と難色を示すが、そのまま、調査員の推薦をめぐる議
論が始まった。

委員「(調査員の報告書で、育鵬社版は)あまりにもマイナス面が
大きく書かれているのに、出てくるのがおかしい」
崎原副会長「調査員の資料の文書と、私に送られてくる抗議文の内
容がまったく同じなんです。これを、私は公平な判断とは見ていな
い」

 崎原副会長は、調査員の報告書が、他の資料の引き写しではない
かと指摘した。これに他の委員が猛反発した。

委員「調査員に失礼です。どういうふうに調査員から漏れたのか、
外部からどのように指導されたのか分かりませんけど、調査員も
一生懸命研究してきたことに対して、非難した言葉は撤回してほし
い」

調査員の推薦をめぐる議論は、さらに白熱した。

玉津会長「調査員の順位付け、あるいは拘束性を持たせる、こうい
うことは絶対廃止するということで、協議会を始めたわけです」
委員「順位付けはいいと言っているでしょう」
玉津会長「順位付けについては、良いとは誰も言っていませんよ」
崎原副会長「1種絞り込みはやらないということで、投票していま
すから」
委員「あまりにもマイナス面が多いから…」
崎原副会長「内容を見てください。すばらしく指導要領に全部あっ
ていますよ」

最後は玉津会長が「最初に(議論が)終わっていることですので、
蒸し返すことになる」と交通整理し、数学の投票に移った。       

         ☆

■沖縄紙の言論封殺が生んだ慶田盛教育長の事実誤認

新聞のデタラメ報道を鵜呑みにした慶田盛副会長が「11万6000人」というウソの数字を持ち出しているのはさて置いても、慶田盛氏は他にも教科書選定委員としては致命的ともいえる間違った発言をしている。

目取真俊氏が公開した8月23日の「非公開会議録」によると、八重山日報はあえて触れていないが、問題の慶田盛竹富教育長が沖縄戦の集団自決に関して、大きな事実誤認をしていることが暴露されている。

同会議録の中で慶田盛氏は、集団自決の軍命に関し、裁判で軍命があったと決まったと再三主張しているが、裁判で決まったのは原告側の名誉毀損と出版差し止め請求などの棄却であり、軍命があったと決まったわけではない。

慶田盛氏の明らかな事実誤認である。

沖縄2紙は「集団自決訴訟」で原告の元隊長側が敗訴したことを、あたかも軍命を裁判が認めたかのような印象操作記事で連日読者を誤誘導した。

結果的に慶田盛氏は異論は認めぬ沖縄2紙の言論封殺により、「集団自決訴訟」の判決を間違って理解したことになる。

一般の読者ならともかく、慶田盛氏のような教科書を選ぶべき立場の人物が、初歩の事実誤認をするということは、それだけ沖縄の新聞がデタラメ記事を垂れ流して、異論は認めぬ言論封殺を実行してしてきたことの証左でもある。

現在係争中の「パンドラの箱掲載拒否訴訟」も、これまで沖縄紙が行ってきた言論封殺に対し、ドキュメンタリー作家の上原正稔さんが果敢に挑戦した「言論封殺との戦い」ということが出来る。

しばし脱線するが上原さんの琉球新報を相手取った言論封殺の訴訟の第4回口頭弁論が11月8日午前11時より、那覇地裁で行われる。

徒手空拳で巨大組織に戦いを挑んでいる上原さんは、現在沖縄全メディアの村八分状況にあり、闘争資金が不足しております。

緊急に皆様のご支援を必要としています。

八重山教科書問題も集団自決問題も全ては沖縄2紙の「言論封殺」が根底では深く繋がっている。

上原正稔を支援する三善会にカンパご協力をお願いします。

           ☆

■八重山日報 10月21日

東京Gazette
教科書問題で空想
もしマルザーだったら
智恵交換して解決可能に

 これがもし、円卓だったら?そんな素人考えが、八重山教科書問
題についての文科省との会談を傍聴しながら、ふと胸をよぎった。
(3面関連)
 18日午前10時から衆議院第一議員会館の地下1階にある第6会
議室で持たれた会談。政府へ要請すべく上京した仲山忠亨、大浜敏
夫、上原邦夫、藤井幸子の4氏と、それを援護する赤嶺政賢、山内
徳信の両衆院議員、高嶋伸欣・琉大名誉教授、「子どもと教科書全
国ネット21」の俵義文・事務局長が出席した。
 8氏の矢面に立つが文科省初等中等教育局の森晃憲・教科書課長。
お付きの男性職員が一人いたが、まだキャンパスと職場の区別
がついていないような若者で、表情も虚ろ、発言一つあったわけで
もないから員数外だろう。尤も今回の会談の文科省のレベル(緊張
度)をあからさまに示す存在としては、員数に数えねばならないが。
 森課長を対面(といめん)に、こちらの8人は横1列に並んで糾
問する、いわば旧来の団交の様式である。
 これがもし、出席者みんなが同等、融和の象徴である円卓ないし
円卓もどき(たとえば椅子でマルザー=円座をしつらえる)、ある
いは会議室常備の長形のテーブルでコの字型、などであったなら…。
”敵”とマルザーなんてとんでもないだろうか?友は身近におけ、敵
はもっと身近におけ、の”孫子の兵法”に倣おうというよりは、”団交
の対面様式は対決する勇ましさを演出するにはよくても案外"敵”に
は楽なのだ。
 今回のケースで言えば、8人がほぼ一方向から、モノラル(!)
で発し、森課長はせいぜい10度くらい左右に首を振ればすむ。
 これがマルザーなら、森課長は最大180度、顔を振り、ステレ
オ(?)で聞くことになる。結構、苦行だろう。
 今回の”団交”を傍聴していると、8氏が、失礼ながら同じ愚痴を
(表現に多少違いがあっても)ほぼ異口同音に、森課長にぶつけて
いただけのように思えてならなかった。
 森課長に、アンタたちは無知だ、無知すぎる。(こんな乱暴な言
い方ではないが、要はそういう発言である)と責められて、おっ
しゃる通りです。中川大臣に発言を撤回させます、なんて答が返っ
てくる、わけがありませす?
 再び、これがもしマルザー(円卓)だったら…。
 大臣にも副大臣にも事務次官にも面会できず、権限レベルの疑わ
しい課長クラスを会談にあてがわれる無念さは、察して余りあるが、
逆に言えば、課長ゆえに相手を軽んじる気持ち、諦めが働かな
かっただろうか。
 課長相手でも実現可能な要求は出せなかったか?こちら側の発言
者を限定し、要求を絞り込んで追及していくという、団交なら団交
の流儀があっただろうし、マルザーなら、鳩首を糾合して智恵を交
換する方法が取えたかも、と思わずにおられない。
 私の聞き違いでなければいいが、森課長は9月8日の協議会を文科
省は認められないと言ったわけではない、と発言しませんでしたか
ね?
官僚特有のあいまい表現かもしれないが、ならば、9月8日の決定を
教育現場は粛々と進めればいいのでは。
 そもそも大臣の放言に法的効力はあるんだろうか。その顔を窺っ
てあわてるのは変です。
 にしても、公民なんて、私たちの時代にはなかった教科なので、
その必要性を大いに疑っているのだけれど。 (浦崎浩實)

浦崎さんの寄稿を「東京ガゼット」として随時掲載します。

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NHKがスルーした教科書問題の肝

2011-10-22 07:37:51 | 八重山教科書採択問題

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教育委員会制度は、戦前、国が教育に過剰に介入したという考えから、戦後アメリカから導入された制度であり、「レイマン・コントロール」(素人制度)を考え方の基本にしている。 

裁判員制度が導入されたのも、検事、判事、弁護士等法律の専門家に任せるのではなく一般の素人の意見を尊重するという「レイマンコントロール」の理由からである。

教育委員会制度は教育の専門家ではなく一般教養と幅広い視野をもった素人こそが、教育についてよりよい決定をすることが出来るという理念に基づいている。 裁判員制度における素人の意見と同様に、教育現場を知らないことは、逆に従来の惰性に縛られない自由な発想ができる可能性があるからである。

昨夜のNHK沖縄の番組は、教育委員会の重要ポイントである「レイマンコントロール」は完全に無視し「教育現場で専門知識のある教員」が教科書選定をすべきと力説する新城俊昭沖大教授の意見を長々と紹介していたが、とんでもない大間違いである。

新城教授は、識者の立場でテレビに登場しながら、教育委員会制度の理念について無知を晒している。

再三述べるが沖縄のメディアに登場する識者は、このように無知を晒しながら、同時に無を晒す恥知らずが多い。

まず、教科書を採択する権限は、関連法規によって教育委員会に与えられている。

関連法規の「地教行法」は、その第23条の6番目でで、教育委員会の職務権限を、「教科書その他の教材の取り扱いに関すること」と明記している。

教育委員会は市区町村ごとに設置されるが、「無償措置法」では、複数の教育委員会にまたがる共同採択地区では、各教育委員会の代表からなる「採択協議会」を設置し、同一種類の教科書を選ぶことになっている。したがって傘下の各市町村教育委は同一の教科書を使用しなければならない。

沖縄県の八重山採択地区を構成する自治体は、石垣市(4万9千人)、竹富町(4千人)、与那国町(1600人)の一市二町である。

人口で見ると、石垣市が9割を占めているが、協議会委員は3自治体から同数の委員が選ばれる。このような明らかな悪平等も教科書採択における混乱の一因となっている。

■GHQの想定外は日教組の跋扈

法律は教育委員に教科書の採択権限を与えているのであるが、GHQは戦後日本の教育界を牛耳ることになる日教組のことは想定していなかった。 

アメリカが理想とした教育を政治から解放する目的のレイマンコントロールで、日本政治家はすっかり腰が引けてしまった。

教育に関心を持つことは政治家の重要使命の一つであるが、少しでも教育関連の意見を述べると「教育への政治介入」と批判されるのを恐れた。 その隙を突いて、日教組が急成長し逆に日教組の政治活動が教育を支配するようになったことは周知のことである。

政治家が羹に懲りた状況のとき日教組が支配する教育界には現場の教師が教科書を事実上決定するという悪しき慣行が長く続いた。

教育委員は、教科書を一度も見なくても、調査員(教員)が採択し日教組事務局が提案した採択教科書を追認するだけでその役目が務まるという実態も見られた。

■文部省の教育改革

日教組が独占する教科書採択の悪弊を是正しレーマンコントロールの精神を教科書採択に反映させるため、平成2年、当時の文部省は、「教科書採択のあり方の改善について」という通知を出し、「教職員の投票によって採択教科書が決定される等採択権者の責任が不明確になることのないよう、採択手続の適正化を図る」ことを求めた。

石垣市の玉津教育長の教育改革は、まさに平成2年の文部省通知をに従った極めて合法的な改革であった。

玉津教育長が8月22日に公表した沖縄県教育庁義務教育課の平成17年の3月の通知も、「『一種絞り込み』を是正する事」と明記していた。 この通知が平成2年の文部省通知を受けてものであることは自明である。

八重山採択地区協議会の昨年の採択の実態をみると、調査員報告書の書式で「採択調査員」、「採択教科書名」、「採択理由」などの用語が使われ、調査員は一社に絞り込みの答申を出し、それ以外の教科書が採択される余地は全くなかった。

文部省通知に違反した教科書採択が八重山採択地区では長年放置されていたのである。

■玉津改革vs「ペンギン王国」の残党

16年間続いた極左政権の残滓が連綿と続いていたという証左である。

6月27日、八重山採択地区協議会は、調査員による教科書の「順位づけ」を廃止するとともに、採択協議会の委員の構成を変更する規約改正を行った。

従来の委員は、3市町の教育長(3名)、担当課長(3名)、事務局より担当職員(1名)、会長の属す事務局から補助職員 (1名)、保護者代表(1名)の計9名から成っていた。

採択協議会の委員は、教科書採択について教育委員と同等の決定権を有する地位にある。その委員に事務方の担当課長や担当職員、補助職員まで入れていたとは「ペンギン王国」の負の遺産ということが出来る。 

改革後の新しい委員の構成は、3市町の教育長(3名)、3市町の教育委員(3名)、八重山地区PTA連合会代表(1名)、学識経験者(1名)の計8名。事務方の職員を外して教育委員を入れ、学識経験者を加えた。極めて常識的な改善であり、他県のどこにでも見られる構成となった。

ところが、玉津改革により旧悪が次々露見することを恐れた沖教祖は、県教委に働きかけ玉津改革を強引に潰す行為に打って出る。

8月になって、県教委の不当介入事件が起こった。

8月3日県教委は、「協議会メンバーに校長・三市町教委指導主事を新たに追加すること」を求めた。

その狙いは、協議会委員の中の教員出身者の比率を高めて、「つくる会系」の教科書の採択を阻止するためである。

極悪複合体の一味である県教委は、ついに、特定教科書を採択させないために反対グループが盛んに宣伝してきた戦術を公権力の名をかたって推進したのである。

採択協議会は、県教委の介入を全面的に拒否した。

八重山地区採択協議会は、8月23日、規約通り8人のメンバーからなる会議を開き、非公開、無記名投票によって教科書を採択した。

8月27日付の八重山日報によれば、今回の歴史・公民教科書調査員が提出した報告書に、自由社と育鵬社について、これらの教科書に反対する特定団体のパンプレットから引き写した文章が多数あることが発覚したという。調査の名にあたいしないもので、あってはならない事態である。おそらく反対派の言うとおり書けという圧力のもとで書かされたのであろう。

NHK番組に識者として登場した大城沖大教授がつい最近まで沖教組の会員で熱心な平和活動家だったと述べた。

氏が番組で力説した「調査員の意見を尊重せよ」という耳に聞こえの良いフレーズの実態が、沖教組主導で法令違反もものともせず、特定のイデオロギーに染まった教科書を採択させるべく狂奔する前政権の残党のスローガンであるといえばわかりやすい。

よくメディアに登場する元教員が「教育の場に政治を持ち込むのはよくない」などと述べているが、教育現場に政治を持ち込んで教育をだめにした元凶が他ならぬ現場の教員であることは自明である。

今回の玉津教育長の教育改革で「現場を知る教員」の「悪事」が暴き出されつつある。

乞うご期待である。

【おまけ】

前にも紹介した「オトシタレの読んだか?ブログ」さんが、同じテーマで書かれているので参考までにリンクしておく。

NHK沖縄がサラリと印象操作をしてる件

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