虎っ娘ランナーのランニング日誌

マラニックバッグにタイガースメガホンをさして国道2号線を西へひた走るランナーを見かけたら・・・、それは私です。

福知山マラソン

2006年11月24日 | ランニング
11月23日は、関西屈指のマラソン大会「福知山マラソン」の開催日だ。
前日の予想降水確率は60%だった。
前夜、落ち込みながらレース準備をする私に姫2号が、毎回レース前恒例の「手作りお守り」を差し出してくれた。
今回のお守りはこれだった。↓



「世界に一つだけのてるてる坊主を作ろうと思ってんけど、時間を掛けた割りにブッチャイクになってしまいました。でも気持ちはいつもの倍こもっています。(以下略)・・」という手紙と共に。

これが大いに魔力を発揮したのか、当日は曇天ながら雨粒は一粒たりとも落ちてはこなかった。1万人のランナーの皆さん、それ以上の数のボランティアスタッフの皆さん、ほんと良かったですね。
あの奇跡のような曇天は、このマジカルてるてる坊主君のご加護なんですよ~。




10時30分。スタートラインに立つ。
支障なくこのポイントに立てるということは、生活その他諸々順風であるということの証し。
幸せを噛み締めると、力がみなぎってくる。

号砲!

このコースは最初一気に下り坂。ここで飛ばし過ぎてはいけないとは判りつつ、やはり回りに引きずられる。
2キロ地点で師匠筋のK氏と遭遇。
「よし、いいペース、いいペース。」
「このままキロ5分で10キロまで行こう。」
などと、励ましつつ17キロ地点まで併走してくださった。
5キロの通過タイムが24‘08、10キロが50’01。計画より少し速いか。
実は、この時点で左足底に軽い痛みを感じていた。
が、この頃はまだ沿道からの声援にピースサインで答え、追い抜いていく仲間のランナーと私語を交わすなど余裕たっぷり。

15キロ地点の給水で立ち止まった瞬間、痛みは激痛に変わる。
やばいっ!スタート時、下りを一気に駆け抜けた反動がやはり出たか。
しかし走りだすと痛みが軽減する。
何とか最後まで持ってくれと、祈るような気持ちだ。

この頃、トップランナーが折り返してくる。
いつも同じことを思うが、はっ速い!
その後、続々と通過していくサブスリーランナー達を尻目にやっとハーフポイント。
1時間48分。うん、まずまずのタイムだ。

左足の痛みは相変わらずで、重心を右にずらしたりなど工夫してなんとか走り抜いていた。
足の痛みとは裏腹に走りは軽快だ。何故か身体が軽い。
紅葉が綺麗だなぁ、などと前回は全く目にも入らなかったた風景を眺める余裕すらあった。

それでも、30キロ近くなると、さすがに乳酸の溜まりが影響を及ぼしてくる。
痛む左足底は、この時点では感覚が既に麻痺状態となっており、逆に痛みは感じない。
ただ足が倍くらいに膨れ上がったような感覚があるだけだ。
これぞ、天然の麻酔だ。有難い。
これで何とか棄権することなくゴールまで辿り着けるだろう。

30キロ給水地点でポケットに忍ばせた「カーボショッツ」を食す。
仲間が言っていた通り、これが不思議に効く。
撃沈しそうだった身体がしばし復活。その余力で何とか35キロ。

あと、8キロ!
疲れのせいで、萎えそうになる気力。
「だらしない走りをしていたら、せっかくお天気にしてくれたてるてる坊主様に申し訳ない。」
「金本さんもこんな痛みと闘いながら頑張ったんや。」
「こんなとこで失速してたら、今までの苦しい練習がむだになる。」
などと、自分を叱咤激励しつつあと7キロ、あと6キロ、と歩を進める。
35キロ地点の5キロラップは28分台まで急降下した。

しかし、時計を確かめると、このまま普通に走れば、自己ベストは間違いないことがわかった。
あとたったの2キロだ。



暫く走ると、眼前に、大きなプラカードが。


感動のあまり、コンマ1秒は足が止まったはずだ。
続いて涙が溢れそうになった。
ありがとう!
勇気百倍。よしっ!最後の力を振り絞って、笑顔でゴールするぞ!
背中のニコ3マーク(Smile Running Projectのシンボルマーク)も後押ししてくれている。


あと1キロ。福知山マラソン名物、最後の上り坂。
昨年はここで少し歩いてしまった。
どんなに遅いスピードでも絶対この坂は歩くまい。
残りの2.195キロを14分近くかかって、公約通り笑顔のゴール!

「おめでとうございます。」と、係りの方から一輪のカーネーションをいただいた瞬間、感極まってしまった。
そのまま一人にされていたら、間違いなく号泣モードに突入していただろう。
が、直後にゴールしたラン仲間に背中を叩かれ、こっ恥ずかしさに手袋ですぐさま涙をぬぐった。

記録はタイムを10分も更新しての自己新。3時間45分45秒。
「50分切れれば上出来。」との思惑をはるかに上回った。

もっと凄いタイムの人は私の頭上に沢山いる。
でも市民マラソンは相対評価ではない。
こんな記録でも、自分の中では100点満点、金メダルの結果だ。

「自分で自分を褒めたい。」と言った有森さんの言葉が心の底から理解できる。

嬉しさと同じくらい感謝の気持ちも溢れてきた。
沿道で声援を送ってくれた友、貴重なアドバイスを沢山いただいた先輩ランナーの皆さん、この大会を支えてくださったスタッフの方々、雨雲を追いやってくれた天気の神様とてるてる坊主様、沢山の応援メッセージをいただいたブログ友達、気遣ってくれた家族・・。

24時間たって、また緩みそうな涙腺と心地よい筋肉痛と共に、今一度レースの思い出に浸っている。