TABI天使日記

天使になったカナダのアジリティ犬と、ママ・パパの日常

尊厳死

2003-05-15 10:13:08 | インポート
実家の母がアルツハイマーと診断されてから、一ヶ月。

昨年暮れ以降、母からの国際電話が頻繁となり家庭内の不穏な状況が伝わって
きたのだが、母からの一方的な情報しか伝わってなかったために、父に異常が
おきたのだとばかり思っていた。が、日本に帰ってすぐ気がついたのだが、
人格が変貌したのは母の方だった。

不安・抑うつ・睡眠障害・被害妄想・健忘症状は日増しに悪化する。
まだ初期のため、身の回りのことは自分でできるし、近所の人などまさか
母が病気とは夢にも思っていない。だが、この病気には治療法がなく進行する
一方で、平均余命は5.8年と言われる。いずれ母も、娘の私を判別できなくなるだろう。
アリセプトを処方されているものの、いまのところ効果は出ていない。

夜となく昼となく、娘に電話をかけては「死にたい」と泣く母。
幼児のように聞き分けがなくなってしまった彼女を相手に、睡眠不足も手伝って
私も疲れてしまった。心理カウンセラーに教えてもらい、アルツハイマーソサエティ
の門をたたいた。そこでは様々な最新情報が入手でき、専門カウンセラーによる
介護家族のためのカウンセリングも受けられる。患者も大変かもしれないが、
家族のほうがもっと打撃を大きく受けるのがこの病気の特徴だ。
家族のケアこそ大切なのだそうだ。

長距離介護に関する情報ももらってきた。こういうサポート体制は、ほんとうに
アメリカやカナダは進んでいるなと思う。65歳以上の13人に1人がアルツハイマー
を発症している国ならでは、というべきか。

こういう状況を見ると、尊厳死という言葉が重みを増す。
私は「生きてさえいれば幸せ」とは考えない方で、犬でも場合によっては
安楽死も致し方ない、と思う。
できれば私が老年に達するまでに尊厳死が合法となり、遺言に希望を明記できる
ようになって欲しいものだ。

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