TABI天使日記

天使になったカナダのアジリティ犬と、ママ・パパの日常

テーブルマナー

2014-12-18 10:23:19 | ふしぎの国、ニッポン
高校時代、「礼法」という授業があった。

進学校なのだが、百何十年の伝統を持つ学校としてはキチンとお作法が身についた大和撫子として育ってもらいたい、ということで、礼法は必修。手を膝に乗せるにも「右手が上」と「左が上」の方法があり、どちらを良しとするかによって出身校がわかる、ということも初めて知った。

授業の中には、西洋料理を食べる際のマナーもあった。今となっては役に立たない「常識」も多く習ったが、最も奇妙キテレツなのはなんといっても、「ライスをフォークの背に乗せて食べる」というやつだ。

メインの付け合せに「パンとライス、どちらに?」と聞かれるのは、世界広しといえども日本だけ(あるいは、日本人がたくさん行く東南アジアの観光地)。それに、日本の米はねばりけのあるうるち米だからフォークの背にのっかるが、西洋の米は長粒種だからパサパサで、のっかるわけがない。

あんな真似しなくても、ライスサラダやパエリアなど米料理が出たら利き手(ほとんどの日本人は右手だろう)でフォークを持ち、すくって食べればいいのだ。「ナイフとフォークを持ち替えてはいけない」とも日本では言われるが、そんなことはない。利き手でないほうの手で不器用に食べようとして落っことすより、利き手に持ち替えてキレイに食べたほうが絶対にいいに決まっている。

フォークの背にのせるマナーなどもうとっくに絶滅してるかと思ったら!
ここでは話題になっていて、マナーの先生も苦笑している。うひゃあ。まだやってる人がいたんだ。水族館でシーラカンスを見るような思いである。

日本でしか通用しないマナーはいろいろあるが、これもその一つで、誰かが言い出して広まったのだろう。テーブルマナーには正解と不正解はなく、食べやすいように見苦しくなく美味しくいただくのが一番。形だけの作法にこだわるより大切なのは、美味しい料理をいただいたらウェイターやシェフに「美味しかった、ご馳走さま」と感謝の気持ちを述べること、そしてチップを十分にはずむこと(サービス業は最低賃金なので、チップが大きな収入源となるから)。そういう大事なことはマナーの教室で一言も触れないのは、残念だ。


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