TABI天使日記

天使になったカナダのアジリティ犬と、ママ・パパの日常

Nature vs Nurtureの実際

2009-02-23 13:45:32 | インポート
今日は、夫の部下とその婚約者の新居へお呼ばれ。

彼女の婚約者は、15ヶ月ぶりにイラクから帰還した。彼にとって四度目の
イラク派遣であった。ウェストポイントを卒業してから、ほとんどの年月を
海外派遣で過ごしたことになる。今年の夏に結婚を予定しており、そろそろ
落ち着いて国内勤務をしたいと願い出たが、CMの返事は「ダメ」。
それどころか、五度目のイラク派遣がすぐ予定されている。そこで、軍を
辞めることにしたという。せっかく陸軍大学まで出たのに、もったいないこと
であるが、確かにこのままでは平穏な家庭を築けそうにない。

さて、ドアが開くやいなや、三頭の犬が脱兎のごとく飛び出してきた。
そして、みなそれぞれの方向へ走って逃げていく。ド田舎の新興住宅街である
から、藪へ逃げたらもう見つからない。あわてて車で追いかけ、取り押さえる。
このうちでは、犬は決して散歩に連れていかない。一日二回、庭にトイレの
ため出すだけである。だから、犬たちは外に出たくてしょうがないのだ。
二人で共働きであるから、犬は最長12時間は外に出られないことがあり、
家の中で粗相してしまうことがある。「致死処分しようと思って」と語って
いたことがあったが、それは完全に飼い主の問題である。

最年長がゴールデンのオス、次が黒ラブの雑種、そしてまだ一歳に満たない
イラクからの戦争孤児雑種。ゴールデンとラブ雑種はフレンドリーなのだが、
この孤児が大変な臆病もの。私たちが屋内に入ると、ものすごい勢いで威嚇
し始めた。飼い主が止めなかったら、咬みついてきただろう。仕方ないので
ドッグクッキーをもらい、食べ物でつることにした。

すると、コロリと態度を変え、寝転がって腹を見せるまでになった。
全く訓練の入ってないこの子に、私たちは十分足らずで「お座り」「伏せ」
「お手」など芸を仕込んだ。しかしおもしろいことに、リビングから半地下
のTVルームへ移動すると、まるで初対面のように私たちに向かって威嚇を
始め、飼い主はチョークカラーを持ち出すはめに。

三頭とも犬種は違うが、全く同じ社交性のない環境で育ったのに、この違い。
大人しい二頭に比べ、滞在中この孤児犬はひっきりなしに吠え続けていた。
これを生まれつきの違い、とせずして何と説明できようか。


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