TABI天使日記

天使になったカナダのアジリティ犬と、ママ・パパの日常

さよなら、HARBOR

2005-06-18 10:21:48 | インポート
TABIの犬友達がまた一頭、お星に。

シェパードのHARBORは、典型的なFear Aggressionだった。
飼い主のNicolleにしかなつかない。彼女の夫や親、子供でさえ攻撃する。
友人のチワワをかみ殺したのを始め、これまで大小さまざまな事件をおこしてきた。

獣医に相談し、犬の攻撃性に詳しいトレーナーにつくようになったのが2年前。
「だいぶ良くなったのよ」とNicolleは言っていたが、つい先日、よその犬を
攻撃し脇腹や足などに重症を負わせ、ついに安楽死となったという。
4年の短い犬生だった。「一週間は泣き通しだったわ」と、Nicolle。

つらいが、賢明な決断だと思う。

先日の講演でStanleyも言っていたが、Fear Aggressionの犬は本当に予測が
きかない。弾丸をこめた銃を持ち歩いているようなもので、いつ暴発するか
誰にもわからない。原因がなんであれ、生半可な訓練などで更正するような
犬ではない。素人はもちろん、専門家でも扱いがむずかしい。

飼い主にはなつくので、なんとかしたいと思うのは人情だろう。だが、もし
人さまの子供や犬に一生消えない傷を負わせたら、どう償えるというのか?
裁判やお金の問題はともかく、被害者の心の傷は?犬に顔をかまれ、眼球を
失い、100針近い縫合をした少女に、どうあやまればいいのか?

Fear Aggression自体は、その犬の責任ではないかもしれない。けれど、飼い主には
自分の犬がよその犬や人に危害を与えないよう努力する責任がある。そして、
最終的につらい決断をする責任も。

一緒に暮らしている二頭の犬とも仲良くできなかったHARBORだが、なぜか
TABIだけはなついて良く追いかけっこをして遊んでいた。
さよなら、HARBOR。


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