TABI天使日記

天使になったカナダのアジリティ犬と、ママ・パパの日常

記憶

2005-02-02 14:10:50 | インポート
東京のお友達から小包が届く。

箱を開けると、節分のお豆。いつも毎年送ってくれるので、家族で楽しみに
している。そして、今年は一冊の本が入っていた。「博士の愛した数式」

交通事故で頭を打った後遺症で、記憶が80分しかない元大学教授の話。
家事が一段落してお茶を飲みながらちょっと読み始めたらとまらず、結局
犬を昼寝させてカウチで読破してしまった。

Adam Sandlerの「50 First Dates」を思い出す。
美術教師のLucyは、交通事故の後遺症で記憶が一日しかもたない。毎朝起きる
たびに、その日は10月の日曜日、彼女の父親の誕生日だと思っている。
心優しい父と兄は、彼女を悲しませないよう、来る日も来る日も「その日」を
演じ続ける。パイナップルのケーキに蝋燭をともし、プレゼントを開け、
テレビでフットボールの試合を観戦し…
しかし、ある日とうとう彼女は真実を知ってしまい、絶望と悲しみに打ちのめ
される。なのに、翌日には泣いたことさえ忘れてしまうのだ。

記憶とは、儚いもの。忘れることは悲しいことであり、また苦痛から逃れる
手段でもある。忘れたくても忘れられないことは、またこれでつらいものだ。
「Groundhog Day」が好対照だ。時のループになぜかひっかかってしまった男。
永遠に同じ日を生き続ける。彼も、Lucyも博士も、メビウスの輪をひたすら
走り続ける。出口は決して、決して見つからないのに。