TABI天使日記

天使になったカナダのアジリティ犬と、ママ・パパの日常

Solitude

2004-07-23 17:07:44 | インポート
一国の指導者であるということは、一千年の孤独を背負うことか。

イギリスの名宰相Winston Churcillも、例外ではあるまい。
1940年11月、当時最も高度な暗号解読能力を有していたイギリス情報部は
ナチドイツがイギリス中部Coventry市を爆撃する計画を立てていることを傍受。
しかし、それを知らされたChurcillは市に避難警告を出さず、結果的に市民
数万人が犠牲となった。

なぜChurcillは知らないふりをしたか。それは、ドイツの情報がイギリスに
筒抜けであることを、ドイツに悟られたくなかったからだ。

「自国民を見殺しにした指導者」と烙印を押すことはたやすい。
だが、国家をリードする人間の仕事というものは、自国民の命を救うことにあるのではない。
大局的に見て、国のbenefitになる道を選択し実行することにある。
そのための犠牲は必要不可欠であり、そう割り切れるもののみがdictatorship
を保持できる。

日本軍に真珠湾を攻撃させたFranklin D. Rooseveltや、テロ攻撃を演出した
GW Bushも同様である。

最終的にはイギリスはドイツに勝利している。彼の戦略は正しかったのだ。
だが、ひとりの人間にもどったとき、彼の心の孤独はどれだけ深かったか。
血塗られた両手。死後に待つのは、地獄の業火と永遠に続く苦痛。

首相の座を去った後、郊外の大邸宅で彼は孫を愛するひとりの老人として過ごす。
そこには、冷酷無比な戦略家の顔は見えない。やはり彼とて人の心を持っていたのだ。

ちなみに、Churcillが飼っていたのはミニチュア・プードル。
FDRはスコティッシュ・テリア。
そしてGWはおとっつあんと同じくスプリンガー・スパニエル、そしてスコッティ。

彼らの孤独を一番良く知るのは、この犬たちかもしれない。

Truman はこう言っている。"If you want a friend in Washington, get a dog."
だが実は彼は、犬は嫌いだった。ホワイトハウスにいたのは、彼の娘の愛犬だ。


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