たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

異国の鉄神

2019-06-28 09:25:34 | 鉄の神々2

<千種町・たたらの里学習館>

 

金屋子神の発祥地とされる宍粟市千種町に、

金屋子神信仰の形跡がほぼ見られないのは、

恐らく金屋子神が「異国の神」だったからだと想像されます。

出雲の金屋子神社に関する記事でも書いたように、

金屋子神の周辺には「渡来系」、特に「75」

の数字を整数と崇める一族の影が付きまとうなど、

日本の風土とは異なる背景が濃厚に匂ってくるのです。

 

もしかすると、金屋子神という存在は、

大陸の習俗を持ち込んだ一族の神であり、

この千種町でタタラ製鉄を広めた後、

さらに良質の砂鉄を手に入れるために、

出雲国の金屋子神社周辺へと向かったのかもしれません。

 

ちなみに、千種町では弥生時代の土器片と共に、

「野タタラ遺跡」が見つかっているそうですが、

「野タタラ」の形跡があるということはつまり、

本格的なタタラ製鉄が伝わる以前から、

「スズ鉄」による製鉄作業が行われていたということです。

 

もしかするとこの地でも、

出雲のヤマタノオロチの物語のように、

古参の鉄部族と新鋭の鉄部族との間で、

鉄を巡る争いが繰り広げられていたのでしょうか……。