たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

神庭と鉄

2019-06-09 09:54:20 | 鉄の神々2

<大撫山>

 

昨日、佐用都比売神社が鎮座する、

兵庫県佐用町の地名起源譚をご紹介しましたが、

さらにそれらの物語には続きがありました。

 

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出雲の大神との国占めののち、

玉津日女命は稲の作付けに使用した

シカを近くの山に放ちました。

のちにその山は、「鹿庭山(かにわやま)」

と呼ばれるようになり、

鹿庭山の四面にある12の谷のすべてから、

鉄が産出されたのだそうです。

鉄を発見したのは「別部の犬」といわれる人々で、

その子孫たちが時の天皇に初めて鉄を献上しました。

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『金屋子神祭文』に関する記事で取り上げた、

「別部の犬」というキーワードが登場するのが、

この『播磨国風土記』の讃容郡についての項目です。

鹿庭山は現在の大撫山(おおなしやま)と呼ばれる場所で、

山麓には神庭神社(かんばじんじゃ)という社があり、

天目一箇神(大友左手彦命という説もあり)が祀られているのだとか……。

 

ちなみに、神庭とはその名の通り「祭祀場」という意味ですが、

出雲の荒神谷遺跡がある斐川町神庭など、

「鉄」との関わりが強い地名でもあります。

鹿庭山も本来は神庭山だったといわれていますし、

「阿用」「佐用」と同様、この地と出雲との関連、

そして「神庭」と「鉄」とのつながりも気になるところですね。