たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

佐用都比売神社

2019-06-07 09:42:12 | 鉄の神々2

<佐用都比売神社 さよつひめじんじゃ>

 

***** 鉄の神々3播磨・因幡 *****

鉄の神々の痕跡を求め、

播磨国から吉備国・美作国へと

旅をしてまいりましたが、

ここで再び播磨の地に舞い戻り、

さらなる考察を深めて行くことにしましょう。

 

旅の二日目、朝一番で訪れたのは、

兵庫県佐用郡佐用町にある

佐用都比売神社(さよつひめじんじゃ)です。

現在、播磨国に属する佐用郡は、

もともと美作国に属していたエリアで、

吉備国を備前国・備中国・備後国の3国に分割した際、

美作国が独立して大和朝廷の直轄地となり、

佐用郡は播磨国へと編入されたと聞きます。

 

ゆえに、地勢的な面でみると佐用郡は、

豊富な鉄資源を要する美作国とのつながりも強く、

スサノオや金山彦神、天目一箇神など

「鉄の神」を祀る神社も多いのだとか……。

出雲街道と因幡街道の交わる交通の要所にあることから、

佐用のあたりはこの一帯の「鉄の出入り」を

管理していた場所だったのかもしれません。

 

個人的には、この土地の名称である

「佐用」という言葉の響きを耳にしたとき、

現存文献に載る日本最古の鬼伝説、

「阿用の一つ目鬼」の話が伝わる

雲南市大東町の阿用地区を思い出しました。

阿用の「用」の字は当て字だそうですが、

佐用の「佐」は鉄を意味する漢字ですから、

音の似た両地区の名前の中に、何らかの形で

「タタラ民」が絡んでいる可能性も高いのでしょう。

 

【このシリーズの参考書籍】

古代の鉄と神々 ~真弓常忠

風土記からみる古代播磨 ~坂江渉 他

民族・地名そして日本 ~谷川健一

青銅の神の足跡 ~谷川健一

鹿と鳥の文化史 ~平林章仁

海峡を往還する神々 ~関裕二

全国一の宮徹底ガイド ~恵美嘉樹