たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

鉄の激戦地

2019-06-25 09:04:54 | 鉄の神々2

<宍粟市千種町>

 

播磨国一の宮・伊和神社を出て次に向かったのは、

金屋子神とのゆかりが深い宍粟市の千種町です。

訪れたときは、ちょうど周囲の山々が一斉に色づき、

まさに「錦秋」という言葉がぴったりの時期。

朝から晴天に恵まれたこの日は、

前後左右どちらを向いても、

秋色に染まった山肌が迫る中、

さわやかな空気を全身で感じるドライブとなりました。

 

ガイドブックの表紙に選ばれるような、

「人工的」な古都の紅葉も素敵ですが、

地方の山々の自然のままの紅葉を目にしますと、

古代の人々も見ていたであろう景色を、

現代人である自分が同じ場所で眺めていることに、

不思議な感慨を覚えるものです。

 

と同時に、穏やかな景観にそぐわない歴史を重ね合わせ、

「本当にここが鉄の激戦地だったのか」と、

にわかには信じられないような思いにもとらわれます。

恐らく、地元の人たちですら気づかない

幾多の凄惨な痕跡が、日本の各所に

「地霊の記憶」として閉じ込められているのでしょう。

 

そんなことを思いながら、

千種町の中心部に向けて車を走らせていると、

道路わきの目立たない一角に、

「金屋子神降臨の地」と書かれた碑が

置かれているのを発見しました。