たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

鶴石の奇縁

2019-06-23 09:59:53 | 鉄の神々2

<伊和神社 いわじんじゃ>

 

伊和神社を散策している最中、

本殿背後の狭い空間に、

「鶴石」という名のご神体石が

安置されているのを見つけました。

何でもその昔、伊和の神から

「私を祀れ」という神託が下ったのち、

瞬く間に杉やヒノキが生い茂る広大な

社叢が生まれ、多くの鶴たちが乱舞する

中央にあったのがこの鶴石なのだとか……。

石の上には二羽の白鶴が北を向いて眠っていたことから、

伊和神社の本殿は珍しい北向きの造りになったといいます。

 

この説話からわかるのは、

伊和神社が本来は「磐座祭祀」の場であったこと、

そして「白い鳥」と関わる場所であるということです。

実は「鶴(特に白鶴)」は「鉄」とのつながりが強く、

「鉄」の痕跡が見られる場所には、

必ずといっていいほど「白鶴」や「白鳥」など

白い鳥の伝説が伝えられているのですね。

恐らく、この地に「伊和大神」「オオナムチ」

「アメノヒボコ」を始めとする様々な神々が干渉したのも、

「鉄」という魔の鉱物が引き寄せた奇縁だったのかもしれません。