<伊和神社 いわじんじゃ>
伊和神社を散策している最中、
本殿背後の狭い空間に、
「鶴石」という名のご神体石が
安置されているのを見つけました。
何でもその昔、伊和の神から
「私を祀れ」という神託が下ったのち、
瞬く間に杉やヒノキが生い茂る広大な
社叢が生まれ、多くの鶴たちが乱舞する
中央にあったのがこの鶴石なのだとか……。
石の上には二羽の白鶴が北を向いて眠っていたことから、
伊和神社の本殿は珍しい北向きの造りになったといいます。
この説話からわかるのは、
伊和神社が本来は「磐座祭祀」の場であったこと、
そして「白い鳥」と関わる場所であるということです。
実は「鶴(特に白鶴)」は「鉄」とのつながりが強く、
「鉄」の痕跡が見られる場所には、
必ずといっていいほど「白鶴」や「白鳥」など
白い鳥の伝説が伝えられているのですね。
恐らく、この地に「伊和大神」「オオナムチ」
「アメノヒボコ」を始めとする様々な神々が干渉したのも、
「鉄」という魔の鉱物が引き寄せた奇縁だったのかもしれません。