たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

自身の片割れ

2017-02-23 10:27:02 | 無社殿神社1

<古座川 こざがわ>

 

海や川など水辺の神社で行われる「船祭」は、

「尊きものは海の彼方に住む」という

日本人の古い信仰に基づいて、

綿々と続けられてきたご神事です。

長い歴史の中で様々な形に変化はしましたが、

古代の日本人は、海の彼方からやってきた

渡来人の知恵や文化の中に神を感じ、

また海の彼方からやってきた人々は、

古代の日本や日本人の信仰心の中に、

自分たちが求め続けてきた理想を見たのでしょう。

 

船祭の会場となる海辺や河口というのは、

「海の神」と「山の神」が出会う場所、

そして海からやってきた人々と、

山から降りてきた人々とが邂逅する地です。

海水と淡水とが混ざる汽水域に、

「神が宿る」といわれるのも、

異なる二つの性質が重なることで、

「第三のモノ」が生じるからだと思います。

遥か南の海を渡ってやってきた人々は、

日本にそしてこの熊野の地に、

「自身の片割れ」が存在することを

知っていたのかもしれません。