<矢野熊・矢倉神社 やのくまやぐらじんじゃ>
串本町にある矢野熊・矢倉神社は、
「井戸の神様」をお祀りする場所でした。
現在は、線路の建設により神域が分断され、
井戸の水も枯れてしまったと聞きますが、
境内の奥にある長方形の石組みの中からは、
きれいな泉が湧いていたのでしょう。
ちなみに、線路の向こうにある山(森)も、
もともとは神社の境内だったとのことで、
その昔は井戸ではなく山の頂上にある磐座を
信仰していたという話もあります。
いずれにせよ、神域だった場所に住宅が建ち、
さらには境内の中を電車が通るという、
本来であれば、とうの昔に無くなっても
おかしくない条件が揃っているにも関わらず、
矢野熊・矢倉神社は大切に守られてきたのです。