<木葉神社 このはじんじゃ>
瓦葺の割拝殿(わりはいでん)をくぐり、
紀伊田原・木葉神社の境内に入りますと、
短い石段の先に社殿が見えてまいります。
ご本殿にお祀りされているのは、
木花咲耶姫(このはなさくやひめ)です。
一見どこにでもある地域の氏神のような
佇まいを見せる紀伊田原・木葉神社ですが、
実はこちらも正真正銘の「無社殿神社」でした。
何でもこの神社には、
「社殿を作れば火事になる」
との言い伝えが残っており、
その昔、禁を破って社殿を作ったところ、
本当に火事になって焼けてしまったのだとか。
地元の歴史を記した資料の中にも、
「当社は古来神殿の設け無し。
一段高き神地に樹木おい茂れるのみ」 と、
記載されていると聞きます。
たくさんのよだれかけが奉納された
ご本殿の裏側には、古代の神籬を思わせる
木組みの枠の中に、白い浜石が積まれていました。