<高富・矢倉神社 たかとみやぐらじんじゃ>
串本町の中心部から北西に向かって
4kmほどの場所にある高富・矢倉神社は、
自然崇拝から社殿建築までの移行過程が、
目に見えてわかるような場所でした。
社殿の裏側へと回り込みますと、
山の斜面に埋もれた祭壇らしき石組みが残り、
ここが古代の神籬であったことを伝えています。
家に帰って改めて地図で確認したところ、
高富・矢倉神社のご神体でもある裏山の森は、
後にご紹介する矢野熊・矢倉神社などと同様、
線路を通すために分断されてしまったようです。
山と建物の間にひっそりと封じられた石たちが、
この神社の長く複雑な歴史を証明していました。