たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

憧れの理想郷

2017-02-22 10:22:33 | 無社殿神社1

<河内島 こうちじま>

 

河内神社の例大祭である「河内祭」は、

古座川流域の5つの地区の氏子が

担い手となって行われるこの地の伝統行事です。

紀州藩が編纂した「紀伊続風土記」の中に、

「日置浦より新宮迄の間に此祭に次ぐ祭なし」

と書かれるほど古くから有名なお祭りでした。

 

熊野速玉大社の御船祭や熊野市の二木島祭など、

熊野灘の沿岸には「船」を用いた祭りが多々存在します。

それぞれに独自の言い伝えが残されていますが、

「船のお祭り」の発端となったのは、

常世思想ともいうべき海へ憧憬と、

この地に「常世」を見た

渡来人の驚きや感動なのでしょう。

 

古来、黒潮に乗ってやってきた一般の人々はもちろん、

同じように黒潮に導かれたどり着いた神武一行もまた、

海の彼方を見つめながら懐かしい故郷を思う同時に、

故郷で抱き続けた「理想郷」の姿を、

熊野という土地の中に感じ取ったのかもしれません。