天路歴程

日々、思うこと、感じたことを詩に表現していきたいと思っています。
なにか感じていただけるとうれしいです。

許されざれし 罪深き者

2017-05-05 20:29:23 | 
そんなことはない
そんなことはない

誰も言ってない
誰も強いてない

わかっている
わかっている

頭では

わかっている

けれど

心が

受け入れてしまっている

呪いの言葉

「私は救われない」

「私は許されない」

「私は罪深い」

いつもは忘れているのに

揺らいでいる時

苦しんでいる時

浮かび上がる

緋文字

「私は救われない」

「私は許されない」

「私は罪深い」

刻みこまれた刻印

幼い頃から

抱き続けた呪文

そんなことはない
そんなことはない

誰も言ってない
誰も強いてない

そうだろう
そうだろう

いつもは忘れている

四六時中思っているわけでもない

けれど

許されざれし 罪深き者

という発作に襲われるたび

無力感に苛まされ

消えてなくなりたくなってしまう

この呪いは

いつから

どこから

やってきたのだろう

自らが招いたのだろうか
自らが望んだのだろうか

自らが作り上げた煉獄なのだろうか

自らが彫った呪いの緋文字なのだろうか

そうだとしたら

あまりにも愚かすぎる所業
あまりにも悲しすぎる所業

許されざれし 罪深き者

こだまする耳鳴りに

壊れそうになる

















育つ世界に

2017-05-05 17:49:36 | 
世界は光に満ちている

灰色に閉ざされた日々に
別れを告げた

まばゆい青空に包まれて

健やかな青葉が揺れている

繰り返し
繰り返し

暴風は吹くだろう
豪雨は降るだろう

繰り返す
繰り返す

荒れ狂う吹雪
轟き渡る雷鳴

それでも

世界は光に満ちるのだ

楔を打ち込まれ
身動きができない時

壁にぶち当たり
先が見えない時

底に沈み込み
もがき苦しむ時

闇に侵食されても
光はやがてやってくることを

忘れてしまう

(自らが倒れてしまうのが
先かもしれないが!)

自らの身が朽ちたとしても

いつかは

夜が明け

朝がやってくる

悲しむ誰かに

光がさす

芽吹いた誰かに

光がさす

扉は開く

若葉は育つ