天路歴程

日々、思うこと、感じたことを詩に表現していきたいと思っています。
なにか感じていただけるとうれしいです。

CROW

2017-05-03 21:32:51 | 


俺らは夜明けに目を覚ます
お前ら人間たちの上前をはねる

乱痴気騒ぎの後に
散らばった残飯

それをただ漁るだけ

それなのに

そんな顔をしかめることないだろう?

ゴミ袋を引きちぎったくらいで

汚したなんてよく言うぜ

お前ら人間たちの喰らい方に比べたら

血で血を洗う喰らい方に比べたら

俺らのやり方なんぞ

かわいいものさ

俺らの黒いビー玉の目
俺らの低いしゃがれ声

お前ら人間たちは

必要以上に忌み嫌うが

冗談じゃねえ

お前ら人間たちの騙し合いに比べたら

泥と泥にまみれた騙し合いに比べたら

俺らの佇まいなんぞ

かわいいものさ

そりゃ

俺らはやられた仕打ちは覚えてる

やられたらやり返すのが

俺らの流儀

けどな

お前ら人間たちのように

やってもないのに
やったりはしねえのよ

お前ら人間たちのほうが

地獄からの使者なんだぜ

口を拭って
上品ぶったって


これは愛なんかじゃない

2017-05-03 20:55:05 | 
顔色をうかがい
先回りして
望む通りのことを
したつもりだった

けれど

無知だと
ののしられ

無能だと
なぐられた

あたしが

バカだから

あたしが

ダメだから

震えて

部屋の片隅にいても

引きずられて

土下座させられ続けた日々

気配を消しても

ウザいと蹴られ

尽くしたつもりでも

違うと怒鳴られ

どうしたらいいのか

怯えていた日々

今ならわかる

どうしたって
お気に召さなかったろう

だって

「あたし」が問題ではかった

「あいつ」が問題だったのだから

愛されたかった

愛したかった

あたしは

愛したつもりだったけど

それは

愛じゃなかった

一方通行なんて

愛になるはずがない

あたしは

ばらばらになってしまった

眠ることができないくらい

ぼろぼろになってしまった

どんなに

時間が経っても

壊れたところは戻らない

それでも

生きなければならないのだ

「これは愛なんかじゃない」

あたしは悟ることができた

それが

良かったのか
悪かったのか

今はまだ

わからない