白文
楚懐王遣沛公。破秦入關、降秦王子嬰。秦既定、還軍覇上。悉召諸縣父老・豪傑、謂曰、父老苦秦苛法久矣。吾與諸侯約、先入關中者王之。吾當王關中。與父老約、法三章耳。殺人者死。傷人及盗抵罪。餘悉除去秦苛法。秦民大喜。
訓読文
楚の懐王、沛公を遣わす。秦を破って関に入り、秦王子嬰を降す。既に秦を定め、還って覇上に軍す。悉く諸県の父老・豪傑を召し、いって曰く、父老、秦の苛法に苦しむこと久し。吾、諸侯と約す、先ず関中に入る者は之に王たらんと。吾当(まさ)に関中に王たるべし。父老と約す、法は三章のみ。人を殺す者は死せん。人を傷つけ盗するものは罪に抵(いた)さん。余は悉く秦の苛法を除き去らん、と。秦の民大いに喜ぶ。
通釈
楚の懐王は、沛公(劉季)を秦に遣わした。沛公は秦を破って関中に入り、子嬰を降伏させた。既に秦を平定して、退いて覇上に陣し、そこで諸県の長老・豪傑を集めて、考えを言うには「長老の諸君、久しく秦の苛法に苦しんだが、自分が秦を攻めるにあたって、諸侯と約束した。先に関中に入った者がその地の王になるべきであると。だから自分がこの関中の王となるのは当然である。ついては諸君と約束する、法は三章のみ。人を殺した者は死刑に処す、人を傷つけた者、また、盗みをした者は、それぞれ罪にあてて罰する、そのほかはすべて除き去る」と。秦の民はおおいに喜んだ。
謂って曰く 方針を発表する
覇上 陜西省にある、覇水のほとり
楚懐王遣沛公。破秦入關、降秦王子嬰。秦既定、還軍覇上。悉召諸縣父老・豪傑、謂曰、父老苦秦苛法久矣。吾與諸侯約、先入關中者王之。吾當王關中。與父老約、法三章耳。殺人者死。傷人及盗抵罪。餘悉除去秦苛法。秦民大喜。
訓読文
楚の懐王、沛公を遣わす。秦を破って関に入り、秦王子嬰を降す。既に秦を定め、還って覇上に軍す。悉く諸県の父老・豪傑を召し、いって曰く、父老、秦の苛法に苦しむこと久し。吾、諸侯と約す、先ず関中に入る者は之に王たらんと。吾当(まさ)に関中に王たるべし。父老と約す、法は三章のみ。人を殺す者は死せん。人を傷つけ盗するものは罪に抵(いた)さん。余は悉く秦の苛法を除き去らん、と。秦の民大いに喜ぶ。
通釈
楚の懐王は、沛公(劉季)を秦に遣わした。沛公は秦を破って関中に入り、子嬰を降伏させた。既に秦を平定して、退いて覇上に陣し、そこで諸県の長老・豪傑を集めて、考えを言うには「長老の諸君、久しく秦の苛法に苦しんだが、自分が秦を攻めるにあたって、諸侯と約束した。先に関中に入った者がその地の王になるべきであると。だから自分がこの関中の王となるのは当然である。ついては諸君と約束する、法は三章のみ。人を殺した者は死刑に処す、人を傷つけた者、また、盗みをした者は、それぞれ罪にあてて罰する、そのほかはすべて除き去る」と。秦の民はおおいに喜んだ。
謂って曰く 方針を発表する
覇上 陜西省にある、覇水のほとり
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