韓信と漂母
漢元年、五星聚東井。
初淮陰韓信、家貧釣城下。有漂母。見信饑飯信。信曰、吾必厚報母。母怒曰大丈夫不能自食、吾哀王孫而進食。豈望報乎。
漢の元年、五星東井(とうせい)に聚(あつま)る。
初め淮陰(わいいん)の韓信、家貧しうして城下に釣す。漂母(ひょうぼ)あり。信の饑えたるを見て信に飯せしむ。信曰く、吾必ず厚く母(ぼ)に報いん、と。母怒って曰く、大丈夫自ら食うこと能わず。吾王孫を哀れんで食を進む。豈報を望まんや、と。
漢の元年に五惑星が東井の星座にあつまり漢の興る兆しがあらわれた。
それより以前、淮陰(わいいん)の韓信は家が貧しく城下で釣りをして、生活をしていた。たまたま布をさらしていた老婆がいたが、韓信のひもじそうな様子を見て、飯を与えた。韓信が「私が出世したらきっと恩返しをさせてもらいますよ」と言った。すると老婆はむっとして「大の男が、ろくに飯も食わずにいるから、見かねて食事をあげただけだよ、お礼などどうしてあてにするものかね」と言った。
五星 木星(歳星) 火星(熒惑) 土星(鎮星) 金星(太白) 水星(辰星)の五惑星。
東井 井は二十八宿の星座の一、方位は南に当たるのになぜ東がついているか不明。 漂母 川で布を晒している女性
韓信 蕭何、張良とともに漢の三傑。
王孫 本来は王侯の子孫、あえて尊称をつけたのは皮肉か。
漢元年、五星聚東井。
初淮陰韓信、家貧釣城下。有漂母。見信饑飯信。信曰、吾必厚報母。母怒曰大丈夫不能自食、吾哀王孫而進食。豈望報乎。
漢の元年、五星東井(とうせい)に聚(あつま)る。
初め淮陰(わいいん)の韓信、家貧しうして城下に釣す。漂母(ひょうぼ)あり。信の饑えたるを見て信に飯せしむ。信曰く、吾必ず厚く母(ぼ)に報いん、と。母怒って曰く、大丈夫自ら食うこと能わず。吾王孫を哀れんで食を進む。豈報を望まんや、と。
漢の元年に五惑星が東井の星座にあつまり漢の興る兆しがあらわれた。
それより以前、淮陰(わいいん)の韓信は家が貧しく城下で釣りをして、生活をしていた。たまたま布をさらしていた老婆がいたが、韓信のひもじそうな様子を見て、飯を与えた。韓信が「私が出世したらきっと恩返しをさせてもらいますよ」と言った。すると老婆はむっとして「大の男が、ろくに飯も食わずにいるから、見かねて食事をあげただけだよ、お礼などどうしてあてにするものかね」と言った。
五星 木星(歳星) 火星(熒惑) 土星(鎮星) 金星(太白) 水星(辰星)の五惑星。
東井 井は二十八宿の星座の一、方位は南に当たるのになぜ東がついているか不明。 漂母 川で布を晒している女性
韓信 蕭何、張良とともに漢の三傑。
王孫 本来は王侯の子孫、あえて尊称をつけたのは皮肉か。
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