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寡黙堂ひとりごと

詩吟と漢詩・漢文が趣味です。火曜日と木曜日が詩吟の日です花も酒も好きな無口な男です。

十八史略 背水の陣(二)

2009-12-15 12:04:59 | Weblog
背水の陣(一)
未至井陘口止、夜半傳發輕騎二千人、人持赤幟、從道望趙軍。戒曰、趙見我走、必空壁遂我。若疾入趙壁、抜趙幟、立漢軍赤幟。乃使萬人先背水陣。平旦建大將旗鼓、鼓行出井陘口。趙開壁撃之。戰良久。信・耳佯棄鼓旗、走水上軍。趙果空壁遂之。水上軍皆殊死戰。

未だ井陘口に至らずして止まり、夜半に軽騎二千人を伝発(でんぱつ)し、人ごとに赤幟(し)を持ち、間道より趙の軍を望ましむ。戒(いまし)めて曰く、趙、我が走るを見ば、必ず壁(へき)を空しうして我を遂(お)わん。若(なんじ)、疾(と)く趙の壁に入り、趙の幟を抜いて、漢の赤幟を立てよ、と。乃(すなわ)ち万人をして先ず水を背にして陣せしむ。平旦、大将の旗鼓を建て、鼓行(ここう)して井陘口を出づ。趙壁を開いて之を撃つ。戦うこと良ゝ(やや)久し。信・耳佯(いつわ)って鼓旗を棄てて、水上の軍に走る。趙、果して壁を空(むな)しうして之を遂う。水上の軍、皆殊死して戦う。

韓信はまだ井陘口に着く前に軍を止めて、夜中に軽装の騎兵二千人をつぎつぎに出発させ、めいめいに漢の赤い旗印をもたせて、間道より趙の軍を見張らせた。そのとき特に「趙はわが軍が退却するのを見たら、きっと城壁を空にして追撃するに違いない、その時がきたらお前たちは素早く趙の城内に入り、趙の旗を抜いて、漢の赤旗を並べ立てよ」と策を授けた。そしてまず、一万人の兵を出して川を背にして陣を張った。その余の兵は夜明けを期に大将の旗を押し立て、太鼓の音とともに井陘口を出発した。趙は城門を開いて迎え撃った。ややしばし戦った後、韓信と張耳は偽って鼓や旗を捨てて川の辺の自陣に向かって敗走した。趙は案に違わず城壁を空にして追撃に移る。川べりの軍は川を背にして皆決死の覚悟で戦った。

平旦 夜明け  殊死 決死  鼓行 攻め太鼓を鳴らして進軍すること
佯 見せかける、ふりをする

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