世民至長安、被黄金甲、二十五將從其後。鐵騎萬匹、甲士三萬、獻俘太廟、斬建於市、赦世充、尋使人潛殺之。
竇建故將劉黒闥、始起兵於漳南。
唐遣將李靖伐梁。梁主蕭銑降。送長安斬之。
杜伏威撃呉主李子通、執送長安。伏誅。
劉黒闥自稱漢東王。
楚主林士弘卒。其衆遂散。
漢東將執黒闥降唐。斬之。
唐淮南道行臺僕射輔公祏、反於丹陽。唐將撃斬之。
世民、長安に至るや、黄金の甲(よろい)を被(き)、二十五将その後に従う。鉄騎万匹(ばんひつ)、甲士三万、俘(とりこ)を太廟に献じ、建徳を市に斬り、世充を赦し、尋(つ)いで人をして潜かに之を殺さしむ。
竇建徳の故(もと)の将、劉黒闥(りゅうこくたつ)、始めて兵を漳南に起す。
唐、将李靖を遣わして梁を伐たしむ。梁主蕭銑(しょうせん)、降る。長安に送って之を斬る。
杜伏威(とふくい)、呉主李子通を撃ち、執(とら)えて長安に送る。誅に伏す。
劉黒闥自ら漢東王と称す。楚主林士弘卒す。其の衆遂に散ず。
漢東の将、黒闥を執えて唐に降る。之を斬る。
唐の淮南道(わいなんどう)の行台僕射(こうだいぼくや)の輔公祏(ほこうせき)、丹陽に反す。唐の将撃って之を斬る。
行台僕射 行台は中央官庁から地方に出張して事務を扱う役所。僕射は六省のうちの尚書省に属し、左僕射は吏部・戸部・礼部に、右僕射は兵部・刑部・工部の六部に分かれそれぞれ長官を尚書と呼んだ。
李世民が長安に凱旋した。黄金色に輝くよろいを着け、二十五人の将軍が後に従い、鉄騎一万、武装した兵士三万、俘虜二人を祖先の廟に献じて先ず竇建を市中で斬り、王世充を赦したが、すぐに人を遣って命を奪った。
竇建のかつての部下、劉黒闥が漳南で挙兵した。
唐、将李靖を遣わして梁を討伐させた。梁主の蕭銑が降伏したので、長安に送って斬った。杜伏威が呉主の李子通を攻め、捕えて長安に送った。子通は誅殺された。劉黒闥が自ら漢東王と称した。楚主の林士弘が死に、その部下たちはとうとう離散した。漢東王の将が主の劉黒闥を捕えて唐に降った。劉黒闥は斬られた。唐の淮南道の行台僕射、輔公祏が、丹陽で謀叛を起こした。唐の将軍がこれを伐って斬った。