まろの陽だまりブログ

顔が強面だから
せめて心だけでもやさしい
陽だまりのような人間でありたいと思います。

猫の日

2018年02月23日 | 日記

昨日、2月22日は「猫の日」だった。
なぜこの日が猫の日になったのかはよく知らないのだが
最近のネコブームと関係があるのだろうか。

確か去年の統計だったと思うが
猫の飼育頭数が初めてイヌを上回ったと聞いた。
ネコブームと言うより相対的に
イヌを飼う人が減って来たと言えるかも知れない。
犬好きの人のブログを見ていると
散歩をしたり躾をしたりとなかなか面倒くさい。
俺にはとても無理だなあと思ってしまう。
その点、猫はもともと独居性の強い動物なので
ほったらかしにしていても心配ない。
日当たりのいいベタランダで居眠りばかりしている。
お前らには悩みがないのか?
などと皮肉の一つも言ってみるが我関せずである。

新聞も「猫の日」の特集をやっていた。
いろいろとブームの分析をしていたがよくわからない。
ただ、少子化、人口減少社会になり
単身者世帯が増えて来ると
飼いやすいのはイヌではなくやはりネコであるらしい。
執筆者の一人である養老孟司先生も
スコティッシュホールドという種類のオス猫を飼っていて
名前は「まる」と言うそうだ。
ネコと一緒に暮らしていると「イライラすることがない」と言う。
いつも陽だまりでゴロゴロしている愛猫を見ていると
何か一生懸命やっている自分が
バカバカしくなって気が抜けてしまうらしい。
これからは「人生100年時代」だそうだが
日々にストレスがあったらとても100年も長生きできない。
その点でも猫の生き方はお手本だと絶賛しておられる。

そういえば急死された大杉連さんも愛猫家だった。
映画で共演した猫を撮影後に引き取り
自ら「トラ」と名付けて愛情を注いでおられたと言う。
トラはこれからどうするのだろう・・
そんなことを思うとままた涙があふれそうになる。



それはないよ漣さん!

2018年02月22日 | 日記

俳優の大杉漣さんが亡くなった。
あまりに突然の訃報で
ただただ驚くしかないのだが
ショックを受けながらつい泣き言が出てしまった。

それはないよ漣さん!
杖とも柱とも頼っていた人生の先輩に
勝手に置いてきぼりを食らったような心境だった。
大阪のテレビ局のドキュメンタリー番組で
ナレーター役をお願いしたのが最初の出逢いだったと思う。
当時からすでに売れっ子で忙しく
プロデューサーともども「ダメもと」の心境で依頼したのだが
気持ちよく引き受けて下さり思わず快哉を叫んだ。
以来、その番組は10年をこえるシリーズ企画となり
局を代表するドキュメンタリーとなった。
やはり連さんの力によるところ大だったと心から思う。
ナレーターは読む技術もさることながら
言葉の説得力が何よりも大事で
長年、役者として数々の修羅場で揉まれて来た漣さんだけに
単なる説得力以上に人間力があった。
 
 
これはグルメ番組のナビゲーターをお願いした時の一コマだ。
和の鉄人・中村孝明さんとの撮影だったが
とにかく食に関しても興味津々で造詣の深さには驚くほどだった。
どんな仕事にも全力で手を抜かない姿勢に
中村孝明さんも感心しきりだった。
一番好きな食べ物は「おふくろの玉子焼き」と答えて
二人で意気投合していた姿が思い出深い。

 
顔を見ない日がないほどの売れっ子だった。
これだけ存在感があるバイブレーヤーはそうそういる筈もなく
出演依頼が多いのは当然だと思うが
それにしても「出過ぎではないのか」とプロデューサーと二人
心から心配したことがあった。
まさしく馬車馬のように働いて来られた役者人生だが
背負っているものは我々の想像以上で
仕事を断り切れないのは漣さんの優しさだっと思う。
去年の暮れ、シリーズ最後のドキュメンタリー番組にも出演して頂いたが
お元気そのもので、まさかこんなことになるとは・・・
 
私より2つほど年かさだったが
同時代を生きる者どうしの不思議な親近感があった。
突然、目標を失って言葉も見つからない。
それはないよ漣さん!



巨星とバイプレーヤー

2018年02月21日 | 日記

俳人の金子兜太さんが亡くなった。
一般の人には馴染みがないかも知れないが
俳句を嗜む人にはそれこそ神様のような存在だった。

加藤楸邨、中村草田男と並ぶ
戦後の俳句界を代表する「巨星」だった。
前衛俳句運動のリーダーとして活躍してこられたが
素朴で骨太な叙情表現が持ち味で
その観察眼と洞察力の深さには舌を巻くほどだった。
私もヘタな俳句の真似事はするけれど
この人の俳句には近寄りがたい気骨のようなものがあった。

  暗黒や 関東平野に 火事一つ  〈兜太〉

晩年、安倍政権の憲法軽視の姿勢を
激しく批判されていたあの「気骨」が今は懐かしい。

俳優の川地民雄さんも思い出深い。
石原裕次郎、菅原文太といった映画界の大スターの相棒として
バイプレーヤーに徹して来た俳優さんだった。
映画はスターだけでは成り立たない。
悪役がいなければ大スターも引き立たないし
ストーリーも薄っぺらになる。
そんな悪役スターを見事に演じきった二枚目だった。
文太さんと共演した「まむしの兄弟」シリーズは
まさに捧腹絶倒、今でも名作だと思う。

 


京のみほとけたち

2018年02月20日 | 日記

久しぶりの京都です。
東京に居ながらにして京都に行ってきました。
わが青春の懐かしき京都です。

東京国立博物館で開催中の「仁和寺と御室派のみほとけ」は
週末とあって大賑わいでした。
御室仁和寺は京都の西、真言宗御室派の大本山です。
私が通っていた大学から歩いて15分。
京都でも指折りの桜の名所で馴染みの深い名刹です。
学生時代はよく訪れた・・・
と言いたいところですがめったに行ったことはありません。
当時は仏様にはあまり興味がなかったんですねえ。

国宝の阿弥陀如来坐像です。
そんな私でもこの仏様だけは見たことがあります。
不勉強で生意気盛りの私でさえ
粛然とさせるような厳かな雰囲気を放っていました。
京都で見た仏様の中では一番かも知れません。

ご存じ千手観音菩薩坐像です。
仁和寺の末寺である大阪・葛井寺からはるばるやって来ました。
お寺に伝わる秘仏でこれも国宝なんですねえ。
千の手、千の眼、十一の顔を持つ
現存する最古の千手観音像と聞いてビックリでした。
他にも空海〈弘法大使〉が中国で模写して持ち帰ったという
直筆の「三十帖冊子」〈国宝〉も展示してあって
あの弘法大師がどんな字を書いていたのか
ぜひ見たかったのですが人だかりで近づけませんでした。
書道を志す人には垂涎の的だそうです。

もちろん撮影は全面禁止でしたが
唯一、OKだったのが仁和寺観音堂の仏さまたち。
普段から一般には非公開たせそうですが
お堂を全面改築するそうでその間だけ東京へお引越し。
特別に撮影許可が下りたそうです。
由緒ある仏像を生で撮影できる機会はめったにななく
スマホのシャッター音がうるさいほどでした。

とにかく国宝と重要文化財のオンパレードで
圧倒されましたねえ。
これだけ大勢の「みほとけ」たちに囲まれた経験がなく
何やら酔ったような気分になってしまいました。
外は北風がピープーでしたが
みほとけたちに手を合わせていると
心にあたたかい春風が吹いてくるような気分でした。
久しぶりに母校を訪れて
仁和寺の桜を見てみたいなあと思ったものです。

 


炎を見つめる

2018年02月19日 | 日記

久しぶりに炎というものを見た。
公園で「火起こし体験」なるイベントをやっていて
たまたま前を通りかかっただけなのだが・・

子供たちの足元で
メラメラと燃え上がる炎の美しさに魅入ってしまった。
焚火ひとつとってもそうだが
炎というものを見る機会がずいぶん減ったような気がする。
公園も最近はほとんどが火気厳禁で
焚火などしているとたちまち監視員が飛んできたりする。
スイッチ一つで料理をしたり暖房をかけたり
便利な文明社会ではあるけれど

あるのは安全に管理された火ばかりで
燃え盛る炎の猛々しさを生で見ることなどめったになくなった。
ボヤ騒ぎ程度の火事であっても
あれだけのヤジ馬が集まるのは炎に対する畏怖であり
ある種の「憧憬」ではないだろうか。

この「火起こし体験」ではマッチやライターを使わず
木製の穴に棒を突っ込んでグリグリ回すと
摩擦熱で自然に発火するという原始的な方法を取っていた。
オジサンもやってみたかったのだが
さすがに体裁が悪くて諦めた。
でも、子供たちは大喜びで未知の体験に大歓声だった。

炎は怖いけれど美しい。
見つめていると心が凪いで内省的になる。
炎を遠ざけた文明社会はその代わりに何を得たのだろう。