まろの陽だまりブログ

顔が強面だから
せめて心だけでもやさしい
陽だまりのような人間でありたいと思います。

巨星とバイプレーヤー

2018年02月21日 | 日記

俳人の金子兜太さんが亡くなった。
一般の人には馴染みがないかも知れないが
俳句を嗜む人にはそれこそ神様のような存在だった。

加藤楸邨、中村草田男と並ぶ
戦後の俳句界を代表する「巨星」だった。
前衛俳句運動のリーダーとして活躍してこられたが
素朴で骨太な叙情表現が持ち味で
その観察眼と洞察力の深さには舌を巻くほどだった。
私もヘタな俳句の真似事はするけれど
この人の俳句には近寄りがたい気骨のようなものがあった。

  暗黒や 関東平野に 火事一つ  〈兜太〉

晩年、安倍政権の憲法軽視の姿勢を
激しく批判されていたあの「気骨」が今は懐かしい。

俳優の川地民雄さんも思い出深い。
石原裕次郎、菅原文太といった映画界の大スターの相棒として
バイプレーヤーに徹して来た俳優さんだった。
映画はスターだけでは成り立たない。
悪役がいなければ大スターも引き立たないし
ストーリーも薄っぺらになる。
そんな悪役スターを見事に演じきった二枚目だった。
文太さんと共演した「まむしの兄弟」シリーズは
まさに捧腹絶倒、今でも名作だと思う。