まろの陽だまりブログ

顔が強面だから
せめて心だけでもやさしい
陽だまりのような人間でありたいと思います。

それはないよ漣さん!

2018年02月22日 | 日記

俳優の大杉漣さんが亡くなった。
あまりに突然の訃報で
ただただ驚くしかないのだが
ショックを受けながらつい泣き言が出てしまった。

それはないよ漣さん!
杖とも柱とも頼っていた人生の先輩に
勝手に置いてきぼりを食らったような心境だった。
大阪のテレビ局のドキュメンタリー番組で
ナレーター役をお願いしたのが最初の出逢いだったと思う。
当時からすでに売れっ子で忙しく
プロデューサーともども「ダメもと」の心境で依頼したのだが
気持ちよく引き受けて下さり思わず快哉を叫んだ。
以来、その番組は10年をこえるシリーズ企画となり
局を代表するドキュメンタリーとなった。
やはり連さんの力によるところ大だったと心から思う。
ナレーターは読む技術もさることながら
言葉の説得力が何よりも大事で
長年、役者として数々の修羅場で揉まれて来た漣さんだけに
単なる説得力以上に人間力があった。
 
 
これはグルメ番組のナビゲーターをお願いした時の一コマだ。
和の鉄人・中村孝明さんとの撮影だったが
とにかく食に関しても興味津々で造詣の深さには驚くほどだった。
どんな仕事にも全力で手を抜かない姿勢に
中村孝明さんも感心しきりだった。
一番好きな食べ物は「おふくろの玉子焼き」と答えて
二人で意気投合していた姿が思い出深い。

 
顔を見ない日がないほどの売れっ子だった。
これだけ存在感があるバイブレーヤーはそうそういる筈もなく
出演依頼が多いのは当然だと思うが
それにしても「出過ぎではないのか」とプロデューサーと二人
心から心配したことがあった。
まさしく馬車馬のように働いて来られた役者人生だが
背負っているものは我々の想像以上で
仕事を断り切れないのは漣さんの優しさだっと思う。
去年の暮れ、シリーズ最後のドキュメンタリー番組にも出演して頂いたが
お元気そのもので、まさかこんなことになるとは・・・
 
私より2つほど年かさだったが
同時代を生きる者どうしの不思議な親近感があった。
突然、目標を失って言葉も見つからない。
それはないよ漣さん!