まろの陽だまりブログ

顔が強面だから
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陽だまりのような人間でありたいと思います。

寅さん映画のマンネリズム

2018年02月08日 | 日記

夕刊の特集記事に懐かしい顔があった。
俳優の秋野大作さん・74歳。
映画「男はつらいよ」ではお馴染みの顔である。
テキ屋稼業で全国を旅する寅さんを「アニキ」と呼ぶ
舎弟の「登」を長年にわたって演じて来た。

私はこの俳優さんが大好きである。
どこかひょうきんで軽妙な役どころが多いが
いくつになっても少年のような笑顔と目の輝きを失わない
今どきめずらしい俳優さんではなかろうか。
その秋野さんが出演する映画「男はつらいよ」が
いま、若い世代に大人気だそうである。
主演の渥美清さんが亡くなったのは1996年。
残念ながら第48作で「寅さんシリーズ」は終わりを告げたが
それからでもすでに20年以上である。
若者の多くは「寅さん」を知らない世代になりつつあるが
どうしてまた再びのブームが・・・
秋野さんは語る。
 
  「歌舞伎などもそうですが、観客は必ずしも新しい
   ストーリー展開を期待していません。
   なじんだ物語を役者がどう演じるかを楽しみたい。
   日常の延長にあるホームドラマですから
   観客が望むのは明るく、楽しく、こうありたいという世界です。」
 
寅さんは性懲りもなく失恋を繰り返す。
故郷の柴又に帰ってはトラブルを起こし、また旅にでる。
回数を重ねてもストーリーの骨格は変わらない。
まさしく究極のマンネリズムである。
でも、それがいいんだろうなあ、とあらためて思う。
誰もが新しいものを欲している訳ではない。
お決まりのストーリーでも一緒に泣いたり笑ったりしながら
ああ、こんな世界があったらいいなあ・・・と思う。
それが「寅さん」映画で真髄であり
それ以上でも以下でもないのが「男はつらいよ」ではなかろうか。
今でもシリーズはBS放送で繰り返し放送されているが
真っ先にテレビの前に座るのは息子である。
呆れるぐらい一喜一憂している。
寅さん映画が若い世代に支持を受けているという現象は
必ずしもいい時代とは思えないが
スマホのゲームに夢中になるよりはるかに健康的である。