まろの陽だまりブログ

顔が強面だから
せめて心だけでもやさしい
陽だまりのような人間でありたいと思います。

アンパンマンを思う

2018年10月13日 | 日記

NHKに「あの人に会いたい」という番組がある。
保有する膨大な映像音声資料からさまざな歴史上の人物を取り上げ
その叡智の言葉に耳を傾ける映像アンソロジーだ。
土曜日の早朝の放送にも関わらず
目が覚めた時は決まってチャンネルを合わせてしまう。

今朝は漫画家のやなせたかしさんだった。
ご存じ「アンパンマン」の作者で
亡くなられてもう5年になるのに子供たちに今も絶大な人気を誇る。
長い間「売れない漫画家」だったやなせさんが
アンパンマンを描いたのはなんと69歳の時だと聞いて驚いた。
長寿の人ではあったがほとんど晩年ではないか。
人間、二十歳で頭角を現す才能もあれば
七十歳で花開く才能もあると思うとちょっと勇気が湧く。
以来、人気漫画家になってからの活躍ぶりはご承知の通りである。
あの東日本大震災の折りも
津波の恐怖に震え、度重なる余震におびえながら
被災地の子供たちからは「きっとアンパンマンが助けに来てくれる」と
おびただしい数の投書が寄せられと言う。
まさに正義の味方だった。

やなせさんほど戦争を毛嫌いした漫画家はいなかった。
大正8年生まれ、昭和15年に徴兵され中国へ。
名目は「正義の戦争」だったが
実際には自分たちが侵略者だったことを知って
大きなショックを受けたと言う。
やがて正義をテーマに描いた作品の中に登場させたのが
自分の顔を傷つき倒れた人に食べさせるアンパンマンだった。
やなせさんは怒りを込めて言う。
「正義を行うものは自分が傷つくことを覚悟すべき」
その
信念を体現したヒーローだった。
もし、やなせさんが生きていたら
戦争が出来る自衛隊を目指す安倍首相の憲法改正を
どう思うのであろうか・・・