まろの陽だまりブログ

顔が強面だから
せめて心だけでもやさしい
陽だまりのような人間でありたいと思います。

樹木希林さん

2018年09月20日 | 日記

五反田の空です。
鱗雲というか羊雲というか
すっかり秋めいて来て涼しいですねえ。

秋の寂寥・・・
なんて言うとオーバーですが
この季節は亡くなる人が多いような気がしますねえ。
樹木希林さんも亡くなりました。
確かに大女優には間違いないのですが
文学少女をそのままお年寄りにしたようなユニークな人でした。
内田裕也さんとの結婚生活もふくめて
とにかくその発言の一つ一つが面白くて的確で毒舌で
今度は何を言い出すのかいつもハラハラドキドキしていました。
全身ガンなんて言葉をサラリと言ってのけて
いつも淡々としておられました。
自分の「病気」も「老い」も一緒に愉しんでいるような
そんな印象がありましたねえ。

その出演作も挙げればキリがありません。
最近ではカンヌでパルムドールをとった「万引き家族」の
入れ歯のおばあちゃん役もよかっですが
どれか一つと言われれば河瀨直美監督の「あん」でしょうか。
刑務所を出所後、どら焼き屋の雇われ店長となった
千太郎〈永瀬正敏〉のもとで「餡」づくりに励む謎の老女役です。
その味が評判を呼んで店は大繁盛しますが
彼女にはハンセン病患者として生きる過酷な運命が・・・
その尊厳を失わぬ姿を鬼気迫る円熟の演技で演じておられました。
どんな役でも樹木さんらしい
一味違った存在感と役づくりが魅力でしたねえ。
75歳、ただただ合掌です。