まろの陽だまりブログ

顔が強面だから
せめて心だけでもやさしい
陽だまりのような人間でありたいと思います。

さくらももこのブラック

2018年09月03日 | 日記

漫画家のさくらももこさんが亡くなって
もう一週間以上が経った。
この間、新聞や雑誌やテレビで様々な追悼特集が組まれ
あらためてその才能が惜しまれた。

遅ればせながら私も
本屋で2、3のエッセイや漫画本を手に取ってみた。
テレビアニメの「ちびまる子ちゃん」は何度か観たことがあるが
それ以外の作品はまったく初めてである。
エッセイの「ゆる~い」感じはアニメそのままで
自分のこと、家族のこと、友人のことが
ちょっと皮肉もこめたユーモラスな筆致で描かれている。
実にほのぼのとした家族物語でありながら
そこにアイロニーという隠し味を常に加味しているところが
この人の世界観の一番の魅力ではなかろうか。
エッセイを読んで初めて知ることも多く一気に読んでしまった。

ちびまる子ちゃんではなく
その名も「ちびしかくちゃん」である。
いかにも悪質なパロディ漫画を思わせるタイトルではあるが
れっきとした本人のセルフパロディである。
まる子に対して主人公のしか子は
顔が四角で「何かと角が立つ」ことからちびしか子ちゃん。
登場人物もまる子シリーズとほぼ同じだが
全員がとにかく意地悪でしか子に対して当たりがキツイ。
とくに友人のだまちゃんの意地悪さと言えば
オイオイ、そんな人格設定では読者の反感を買うのではないか?
などと心配になって来るほどで
ちびまる子ちゃんの世界観が完全に崩壊してしまう。
気軽に読み始めると精神的に凹むので、くれぐれもご注意を!
でも、ブラックユーモアとはこうしたものかも知れない。
自分や家族を冷静に客観視できるからこそ
初めて描けるさくらももこの真骨頂ではないだろうか。
ぜひ、ご一読あれ!
ちびまる子ファンはやめて置いた方がいいかも知れない。