Kantele-Suomiho-Fuga

フィンランドと音楽(カンテレ、音楽療法)をキーワードに!

「もしかめ発声」オペラ編

2007-07-27 20:55:39 | 音楽療法
老健(介護老人保健施設)デイケアの午前プログラムは、音楽療法。週6日の通所リハのデイケア、そのうち最低2回が音楽療法、残りは介護スタッフによるゲームとなっている。ゲームの日は、朝の歌3曲は私の担当、その後<健康運動指導士>による体操がある。音楽療法の日は、体操も含めてすべて<音楽療法士>が担当。

音楽療法士の体操は、とにかく音楽、素材は《うさぎとかめ》。声楽出身の私は発声中心、楽理出身のRさんはリズム中心、とそれぞれ得手の分野がある。私の場合は、たとえば 「♪もしもしかめよ~かめさんよ~」 を
①ff→ppで歌う。大きな声からささやくような内緒話の声まで、自分でコントロールして歌うことが目的。
②発声位置が異なるパ・タ・カで歌う。パは口唇の破裂音、タは舌(ベロ)を使う、カは喉の奥、この発声はPT・理学療法士のC先生も注目している。
③口をたてにあける。どうしても浅くなる日本語の発声、イやエを指が2本はいるくらい縦にあけると、すっかりオペラ歌手の発声になる。
ガーガー大声で怒鳴るのではなく、身体を使って上手に発声することで機能向上を促している。



発声体操を10分行なったら、「♪もしもしかめよ~かめさんよ~」 がすっかりオペラ風になってきた。「なんだかラクにいい声がでている気がする」と、いつも大声を張り上げて歌っているWさんの感想。その通り! 腹式呼吸で息が身体の隅々、脳までもいきわたっている。すっかりその気のデイケアの皆さん、「たしか先生ってオペラ歌手だったんだよね、どうして音楽療法なんかやっているの? もったいないよ」とJさん。「今年のクリスマスは皆でオペラ歌手を目指そう!」と盛り上がった、《もしかめ音楽体操》だった。