Kantele-Suomiho-Fuga

フィンランドと音楽(カンテレ、音楽療法)をキーワードに!

音楽療法ってもうかる?

2007-07-26 23:17:50 | 音楽療法


「音楽療法ってもうかるの?」友人の質問。
「もうかるって聞かれると、まったく、全然、ダメ・・・」私の答え。

数年前までの音楽療法=ボランティア活動と思われていた。今でも「交通費がでればいいほうで持ち出し」という心痛む話を聞くことがある。音楽療法士は有資格者(日本音楽療法学会認定音楽療法士)の専門職だから、ペイされないなんて本当におかしい! でもその裏には音楽専門でない人でも、音楽が好きなら簡単に参加できてしまうという現実もあり、その現状に怒りを覚えているのは私だけではないと思う。私の知人にも、「文学部出身。音楽を趣味でやっている人が、無資格で数箇所施設で有償で音楽療法をしている現実」があり、人集めに走る施設責任者のいいかげんさと本人のレベルの低さに唖然としている。こういう人たちが払拭されない限り、日本の音楽療法はレベルが上がらないと思っている。

ただ日本の音楽療法はどこへ行くのか、方向が見えていない音楽療法士が多いのも現実。特に現場にいる私たちは、行く末を案じている。例えば高齢者施設では、療法(セラピー)より、楽しめるレク(レーション)的音楽療法が求められている。私の勤務する施設(医療法人:介護老人保健施設)でも音楽療法の枠がふえているが、リハビリテーション個別訓練と大集団ではあきらかに目的や内容が変わっているし、楽しめる要素がより要求されている。私はいわゆる大集団や小集団セッション、個別訓練のほかに、<歌の会><音楽アクティビティ><音楽レクレーション><音楽ゲーム><音楽体操>を実施している。もともとレクも得意だから、療法とレクは同等で行なっている。レクにもしっかりした目的はあり、位置づけは担当する音楽療法士の裁量による。アシスタントのRさんはレクを経験したことがないので、「この話はお断りします」とはっきり断った。私はどう対応していいかとびっくりしたが・・・。

昨日は系列の認知症グループホーム、今日は同じく系列クリニックのデイケアと大忙しで飛び回る毎日。とりあえずリハビリテーション科の音楽療法士で、収入も仕事の内容も保証されている私は本当にありがたい。音楽療法はこれからの世の中、多いに必要とされる。レベルの低いボランティアではなく、高度のテクニックをもった音楽専門家が行なう音楽療法プログラムに期待したい。そのためには、私も含めて勉強の日々・・・。