Kantele-Suomiho-Fuga

フィンランドと音楽(カンテレ、音楽療法)をキーワードに!

ジャコメッティ

2007-07-13 21:27:17 | お勧めの・・・
パソコンのある部屋は狭いけど、部屋の分類でいえば一応<書斎>。東側は窓だが、そのほかの壁は天井までの本棚と、一部は息子の部屋とリビングへ通じるドア。本棚は溢れるほどに3列に無理やり押し込んでいる、大量の本と楽譜。今大地震が起きたら、私はこの下敷きになるに違いない。

目の前の右側の本棚は私の本ばかり。フト目をあげると、矢内原伊作の『ジャコメッティ』が目に入る。大学時代、山中湖にある友人の別荘に遊びに行ったら、隣は矢内原家。たまたま滞在していた伊作氏と夕食をご一緒したり、お話を伺ったりの1週間だった。でもそのころは二十歳(はたち)そこそこ、もちろんお名前は存じ上げていたが、私自身はまだ若すぎてその偉大さはわからず・・・。私には素敵なおじさま、彼女には子どもの頃から遊んでもらう楽しい隣人だった。

倉敷の大原美術館でみたジャコメッティ、釘付けになったことを覚えている。最初に見たときは「細すぎ」、2回目は、1回目の随分あとの4年前。最初の印象が強烈だったので「そう、これこれ」の思い。それから3回目は2年前の音楽療法講演会で倉敷に行った時に、どうしてもそれだけみたくて友人と立ち寄った。「これ好きなのよ」という私に、「私も!」。「余計なものがない。研ぎ澄まされている」という彼女の分析に、「フーン。私はシャープな印象、切れを感じる。むずかしいことはわからないけど、とにかくずっと好きなの」と言った。

本を取り出してパラパラめくってみたら、急に見たくなった。ジャコメッティの伊作氏は、あの頃は美味しいものとケラケラ楽しい話ばかりだったから、その後のジャコメッティと結びつくのに時間がかかった。あらためて本を読んでいると、偉大な二人の関係が迫ってくる。

また行きたい、でもちょっと遠い倉敷・・・。