令和6年10月6日(日)
静岡県議会9月定例会も常任委員会の審査が終わり、残すところ最終日の各常任委員会委員長の報告と上程された議案の採決のみとなりました。私は総務委員会に所属していますので、委員会での様子をお伝えします。
今回は、冒頭で沼津市議会から提出された「沼津市議の懲罰に係る審決について」と題した陳情について各委員が質問に立ちました。その他、私自身も総務委員会所管事務に関して5項目の質問を用意し、他の議員と重なった1項目を除いて4項目について質したので、その概要について触れます。
(沼津市議の懲罰に係る審決について質問に立つ。SBS報道から)
沼津市議会からの陳情は、所属する市議会議員の発言による議会内での混乱についての対応を、県の自治紛争処理委員会(知事が設置し、弁護士や大学教授などの法の専門家で構成)に託したものですが、その結果(審決)に不満があるとして、県議会での検証を求めたものです。
本来、このようなケースは、審決内容が地方議会の自立権に関わることもあり、議会運営に影響を与えることもあるとして、全国の地方議会において同様の問題が生じているようです。
しかし、自治紛争処理委員会は、その権限を有する法律の専門家で構成されており、審決に対して不満があるとすれば、裁判所にその判断の妥当性について求めることになっているようで、県議会には権限がありません。
沼津市議会からの陳情については、その背景を理解した上で、陳情内容を精査し、事実関係の一部を確認するのみとなりました。
私の所管事務調査内容は、①ICT・サービス関連企業の誘致。②情報セキュリティの確保に向けた取組。③令和5年内部統制評価結果の課題。④知事部局における障害者雇用率について。⑤移動知事室及び知事広聴の実施について質問を用意しました。
①については、本県に進出意欲の高いICT・サービス関連企業600社の誘致の実現に向けた取組内容を質し、本県の魅力やインセンティブなどを紹介し誘致実現に向け対応している。
②は、県関係を狙ったランサムウェアやサイバー攻撃に対し、庁内で専門技術を取得した職員によるウィルス感染の早期発見、拡大防止策の取り組みを質しました。
③は、内部統制(事務の執行に際し、事前に不正や間違いなどの不備の発生の防止策を実現するための日常業務内での取組)の評価にて、令和5年度は重大な不備が確認されたので、その原因分析と今後の対応策について確認しました。私は2年前に県の監査委員であったことを踏まえ、その時の経験を元に県の取組の課題を指摘しました。
④は、障害者雇用が進まないことに関して、障害者が仕事に就くための業務分析や、出先機関などで取り組んでいる現状を確認し、更なる工夫の在り方について指摘しました。課題は、スピード感が感じられないことでした。
⑤は、知事が交代し、新たな仕組みに変わったので、その背景や効果などについて質しました。
総務委員会は、人事や組織、予算、広報広聴など県政の重要な核になる部署を所管とする委員会で、前知事時代は、知事発言などが大きな問題となったことから、地味な部署ですが注目されていました。