鈴木すみよしブログ

身近な県政にするために。

富士市でCNF総合展示会開催

2018年10月24日 | 議会活動

平成30年10月24日(水)

 

 ふじのくにCNF(セルロースナノファイバー)総合展示会が、富士市の「ふじさんめっせ」を会場に開催されました。“未来の素材は無限の可能性を秘めている!”と題し、関連企業や大学・研究機関のブース展示、CNF開発の第一人者である京都大学矢野浩之教授の基調講演、静岡県工業技術研究所による技術相談、出展企業と個別相談など、CNFに関する幅広い情報を得ることができる、日本最大級の催しです。

(主催者として挨拶する、静岡県知事戦略監の篠原氏)

 

 静岡県では、本県を「CNFのメッカ」を目標と位置づけ、産官学による取り組みを4年ほど前から取り組んでいます。私は当初から議員として関わっているだけに、その動向をつぶさに見つめ、様々な意見や要望を機会ある毎に申し上げてきました。

 先日の県議会9月定例会一般質問においても、「CNF産業の人材育成について」と題し、静岡大学寄附講座の成果と今後の取り組み、CNFの基礎及び応用分野における研究や製造技術に求められる人材育成について、それぞれ当局を質したところです。

 

 CNFの産業化については、私の地元にある大手製紙メーカーに研究環境の整備と実証設備が設置され、特に自動車向けなどに期待がかかる、CNFを応用した強化プラスチック分野へ参入が進行中です。木質繊維由来のCNFであることから、素材が紙と同じであり、「紙の街」の再生につながるか大きな期待がかかっています。

 それを後押しするように、市内では製紙関連企業によるCNFの製品化が進み、既に生産設備の設置まで進みつつある企業も出始めました。製紙以外でも、CNFの保湿効果を応用した化粧品なども商品化されており、多分野への応用が期待されています。

 

 基調講演では、京都大学生存圏研究所の矢野浩之教授が、「セルロースナノファイバー材料の製造と利用 ―未来のクルマは裏山でつくる―」と題し、CNF研究の最近の動向や、応用分野について報告がありました。キーワードは、脱炭素革命、ESG投資、マイクロプラスチックなどで、石油化学の課題と植物バイオマスについて、今後の取り組みが本格化していくことと、その役割を果たすのがCNFであることを力説されました。

(基調講演の講師、京都大学生存圏研究所の矢野浩之教授)

 

 企業ブース展示では、この展示会が4回目となりますが、回を重ねるたびに新しい取り組みの成果などが発表されています。CNFの製品化ではコストとの兼ね合いもあり、機能を満たした製品をいかに安く量産化できるかが鍵であり、その取り組みが事例として多く並んでいました。

(運動靴のソールにCNFが使われている商品の展示)


(手前は自動車のエンジン部品)


(CNFの水分を連続して脱水する装置)

 

 会場には、私が以前からお世話になっている、いずれもCNFの応用化でご尽力いただいている愛媛大学の内村先生や、静岡大学の青木先生などが研究成果発表に訪れ、最新の取り組み状況を直接お聞きすることができ、大変有意義な機会となりました。

(静岡大学の青木先生)


(愛媛大学の内村先生)

 

 CNFもまだまだ課題は多いと実感しましたが、間違いなく製品化は進み、今後の成果が大いに期待されます。

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