鈴木すみよしブログ

身近な県政にするために。

富士山登山拠点施設整備

2018年10月05日 | 議会活動

平成30年10月5日(金)

 

 先日の県議会文化観光委員会審議の中で、富士山富士宮口5合目に建つレストハウスが話題になりました。この施設は建設から45年も経ち、老朽化が進んでいます。

 私も子どもの頃から富士登山を目指したときには必ずお世話になった施設で、登山をしなくても、この施設がある5合目までは自家用車で行けることもあり、多くの観光客で賑わい、ちょっとした富士登山気分を味わうとともに、トイレ休憩や土産物の購入など、富士山観光には欠かせない施設です。

 

 質疑の中ではこの施設整備について触れ、富士宮市が新たなビジターセンター機能を持たせた施設整備を、国や県に働きかけているというものです。この情報に初めて触れたのは、2ヶ月ほど前の新聞記事でしたが、自分が関わる委員会の中で触れ、改めてその状況に関心を持つことになりました。

 

 この施設は当初、麓から5合目までを結ぶ富士山スカイラインが開通した1970年代に建設され、県道路公社が富士表口山中休憩所組合に営業委託して運営を始めたということでした。その後、所有も民間に移管されたようで、立て替えとなると所有者の負担となりますが、その額も相当な金額となるようで、県や国にも支援してほしいというのが本音のようでした。

 設置されている場所は、富士箱根伊豆国立公園内であり、富士山が世界遺産登録となっていることから、数々の法律の制限を受けることにもなります。

 

 富士山は火山噴火対策なども進めていく必要があり、もしもの時の緊急避難施設の役割を果たすことも必要となります。これまで果たしてきた役割以上の機能が求められ、観光だけでない公共性の高い施設に期待がかかります。

 

 先ほども触れましたが、子どもの頃からこの施設を何度も利用してきましたが、これまでにトイレの環境問題は大きく指摘され、垂れ流しや臭い防止などに機能を発揮するバイオトイレの設置など、地上とは異なる対策を講じていることから、そのコストを利用者に求める仕組みも導入されています。

 

 富士山では、平成26年度から保全協力金といって富士山の環境保全や登山者の安全対策などを目的として、登山者に協力を求める制度が導入されています。この仕組みの中には、トイレの整備に関する項目も含まれていますが、トイレを利用することまでは含まれておらず、また、その内容について登山者にうまく伝えられていないということが、説明の中で報告されました。

 協力をしていただいた登山者は、協力金の中にトイレの利用の分も含まれていると受け止めている人が多いということでした。トイレ利用に関しては「チップ」という言い方で利用者に協力を求めてきた制度が、協力金によりそれが含まれているということなのでしょう。ややこしい話ですが、協力金制度が導入されてから、チップは激減したことがその裏付けのようです。

 

 制度の周知を徹底していくことが求められていますが、その理由は、多くの登山者が集まる美しい富士山を後世に残し、登山者の安全確保のためであることをしっかりと共有していくことが大切です。

 

 新たな拠点整備がどうなるかは未定ですが、今回のような事態を軽く見逃すことなく、気持ちよく登山していただけるよう、私たちも現場の状況をしっかりと見極めながら議論していきたいと思います。

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