鈴木すみよしブログ

身近な県政にするために。

原発の安全対策とストーカー相談支援センター

2018年02月15日 | 議会活動

平成30年2月15日(木)

 

 視察二日目は、稼働中の関西電力高浜原子力発電所と京都府警察本部が取り組むストーカー相談支援センターについて情報収集をさせていただきました。

 

 関西電力高浜原子力発電所は、4基の原子力発電施設のうち、1、2号機は40年を経過し大規模回収中で、3、4号機は現在稼働中という状況です。

(説明いただいた関西電力関係者)


(高浜原発の安全対策を説明する担当者)


(稼働中の3、4号機)


(改修中の3,4号機)


(ビジターセンターにて)

 

 東日本大震災で大きな事故が発生した福島第一原発以降は全国の原発が停止し、国が新たな安全指針を示したことで、その対応が実施されて審査が終了し、地元などの了解を得て再稼働している状況であることから、視察をさせていただきました。

 

 最初に施設の安全担当責任者から、発電所の概要と安全性向上に向けた取り組み状況を説明していただき、発電所内を1時間30分ほどかけて視察させていただきました。

 注目する箇所は、福島第一原発の教訓を生かした地震や津波、竜巻などの自然災害対策と、その他の安全対策についてです。原発の施設は、様々な観点から、セキュリティ上、情報が外に出されないこともあり、このようなブログで具体的に書き記すことはできませんが、国の安全基準の上に自社の安全対策を加味して対処されていることが分かります。

 

 視察が終了した後、議員からの質疑応答では、高浜原発3、4号機が再稼働し、稼働に伴う今後の大きな課題の一つとして、使用済み核燃料に関する取り組みに関する質問があり、現状や今後の課題、対策等について説明がありました。

 また、テロ対策について、原子力災害が発生した際の初動体制などについても質疑応答がありました。

 

 本県では、中部電力浜岡原子力発電所の3から5号機の再稼働に向け、様々な安全基準を満たし、さらに自社の対策等を重ねていますが、使用済み核燃料の処理などが不透明なことから、再稼働ができる状況にないという見方があります。これに関する他の原発の状況について、これまでに私達は全国各地を視察していますが、全て休止中で稼働中の施設は今回が初めてでした。

 

 つぎに、京都府警察本部を訪れ、全国初の「京都ストーカー相談支援センター」についてその経緯と体制、成果などについて情報収集し、関連施設を視察させていただきました。

(お話を伺った京都府警本部)



(京都府警関係者から説明を受ける)


(警察との関連を薄めて相談窓口を設置)

 

 ストーカーをめぐる環境は日増しに悪化しており、その対策は急務で、平成12年にストーカー規制法が制定され施行されましたが、そのきっかけとなったのは「桶川ストーカー殺人事件」でした。その後、法が改正され、平成25年には電子メール、禁止命令制度の拡大が、平成28年には、うろつき、SNSの追加、警告前置きの廃止等が変更や追加となりました。

 京都府は、大学生の多いところで、学生関連の事案が多いといいます。ストーカー事案も潜在的にはかなりあるだろうとの予測があります。京都府におけるデータを示していただき、その中からいくつか触れると、被害者の約87%が女性で、行為者の約84%が男性で、圧倒的に被害者が女性であることが多い。行為者の年齢は、20歳代から40歳代が多い。ストーカーは面識のある者の場合が多いなどがあります。

 平成28年の11月から平成29年の1月にかけて、府内の7大学の学生約2,00人を対象として行ったアンケート結果では、約3割が交際相手の束縛を容認している。「交際相手の束縛」は、法規制の処罰の対象となる行為で、これが許されると誤解している学生が多いことに驚いたといいます。

 過去につきまとい行為等を受けたことがある割合は、回答者の17.1%で少ない数字ではありません。

交際相手との別れ話がもつれた際の相談先を調べたところ、警察への相談はやく4%とわずかでした。

 これらの結果を参考に、警察のほか、行政、教育機関、弁護士、カウンセラーなどで構成する「ストーカー事案再発防止研究会」を立ち上げ、連携しながら対策を講じています。

 

 警察が取り組むストーカー被害者の保護対策では、携帯電話番号を登録し、被害者が110番通報しただけで、本人情報に基づき早急な体制が取れる仕組みである「犯罪被害者等即時対応システム」や、一時避難公費負担、防犯カメラやGPS機能のある防犯ベルなどがあります。

 カウンセリング機関との連携では、ストーカー加害者のカウンセリングやクリニックとの連携、原則5回までのカウンセリング費用の公費負担など、犯罪をなくすための加害者対策も行われています。

 

 ストーカー相談支援センターは、警察機関の外に設置し、相談しやすい環境にも配慮されています。運用時間は、電話相談が午前9時から午後7時まで。面接相談は午前10時から午後5時までで、土日、祝日、年末年始は行われていません。業務内容は、「ストーカー専門相談」として、電話相談やインターネット相談、面接相談などがあり、必要に応じてカウンセリングを実施します。関連機関等連携調整機能では、「京都ストーカー総合対策ネットワーク」(仮称)を立ち上げ、今月末に第1回の会議を開催するとのことでした。そのほかに、広報活動なども行っています。

 

 説明者は冒頭で、桶川事件などを含め、他の同類犯罪被害者の家族などの講演会なども開き、事件の悲惨さや遺族の思いなどをしっかり受け止め、犯罪防止に向け取り組んでいることを紹介し、被害者はもちろんのこと、加害者に対しても支援している仕組みは、大いに参考となりました。

コメント
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