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カンボジアからベトナムへのタバコ密輸

2013-03-03 20:47:43 | 社会

先月のことですが、プノンペンポストに「カンボジアからベトナムへの大量のタバコ密輸」に関する記事が掲載されてました。「Hero」を吸っていた身には実に興味あるテーマですが、文章がやたら長いので暫く読まずにいたわけですが、やはり気になりました。何しろタバコのパッケージにバーコードの印字すらないため文字通り出所不明で、原材料不明の中国製密造タバコなのだろうか、などとも疑っているところでした。

          Cigarette smuggling from Cambodia to Vietnam abounds

カンボジアで最も著名な2人の実業家によって流通されている2つのタバコのブランドは、カンボジアからベトナムへ年間3億箱が密輸され、煙草企業に毎年2億ドルの損失を与えている、と貿易資料と専門家は明らかにしている。

「Hero」と「Jet」、毎年数10億の不法に国境を越えているとべトナムはタバコ協会(VTA)は推計している。

VTAによれば、2011年には114億本のタバコがカンボジアからベトナムに密輸され、ベトナムのタバコ産業に1.71億ドルの損失をもたらした。少数の密輸摘発が行われると共に2012年には129億本に跳ね上がり、損失は1.93億ドルに上ると業界団体は予測している。

密輸タバコはベトナムの35億箱~38億箱の年間消費量の中、18~22%を占める、VTAは2011年の市場分析の中で述べている。

「もしベトナムの国家が違法タバコを根本的に防止する効果的な方法を持たないなら、ベトナムのタバコ産業は短期間のうちに国内市場での中心的な位置を維持するのに困難な状況に直面する可能性がある」と、VTAの分析は述べている。さらに、「違法タバコの状況進化は、年間2億ドル以上の外貨を流失させており、2010年には36億ドンの国家税収損失をもたらしている」と続けている。

カンボジア-ベトナム国境を越えるタバコ密輸横行への対処としてVTAは、ベトナムのメディアを通して状況を公開する一方で政府に対して密輸への厳格な取締の改革を働き掛けている。

「カンボジア、ラオス、中国との国家レベルでの交渉過程で、ベトナムは国境を越える違法かつ不法なタバコ取引(特にカンボジア国境)との闘いへの協力に注意を向けるよう示唆されている」とVTA事務局長のPham Kien Nghiepはメールの中で述べている。

しかし、違法な取引はまた地元市場にとっては魅力的である。ARAや555を生産するブリティッシュ・タバコ(BAT)は、カンボジアでの不法タバコ取引は3,000万~4,000万ドルのタバコ産業の価値から年間1,600万ドルの利益を生み出していると予測している。

「カンボジアと地方産業のある部分との不法な中継貿易への無力な管理は、徴税の不能を含め、地方産業が規制に従わず持ち込まれた密輸と競争することは不可能である」とBATのスポークスマンはメールで述べた。

先週の再三にわたる電話やメールでの試みにもかかわらず、Ly Yong Phatや他の会社の代表からのコメントは得られていない。

Theng Bunmaは、現在タイの病院に入院中のため連絡が取れない。

JetとHero、二つの問題のブランドの起源はその貿易と同様に暗闇に覆われている。Heroのロゴの側面下には「ハドソン・タバコ、ロンドンのライセンス下に生産」との文字がある。しかし2010年の英国ベースの商標の公的ファイルには1985年設立以来ハドソンはビジネスを行っていない。

それにもかかわらず、2010年からの幾つかの船積書類は、Hero King社が、インドネシアを拠点とする貿易会社,Ptタバコ社からの数万カートンのHeroタバコのプノンペン港での荷受人となっていることを示している。

Hero King社はLYGグループの子会社であり、カンボジア商工会議所のウェブサイトによると、その子会社のCEO兼会長はLy Yong Phatとなっている。

トムソン・ロイターの子会社であるトムソンコンピューマークによると、英国タバコ・ブランドのJetは、Theng BunmaがオーナーであるThai Boon Roong社にライセンス供与されている。

船積書類は、インドネシアの貿易会社Ptスマトラ・タバコ社もまたJetタバコの重要な流通業者でシハヌーク港とプノンペン港を通してThai Boon Roong社に販売していることを示している。

マレーシアの船積サービス会社ハブ・シッピングSdn Bhdのこれらの船積書類、インドネシアからシハヌークビル港へのスマトラ社のインボイスは、1.41億本のJetブランドタバコ150万ドルが支払われたことを示している。

2010年からの船積書類はまた、Hero King社はプノンペン港でのheroタバコ数万カートンの荷受人だったことを示している。

輸入し、プノンペンの各工場に分配し、この二つのブランドはカンボジア市場に公然と受け入れられる。それらは、インドネシア、中国、マレーシアから輸入された他の違法タバコと共に並べられている。

国際市場調査会社、ERCインターナショナルPlcの2008年統計によると、カンボジアは45億本のタバコを生産する他に計227億本のタバコを輸入した。これらの中、5.25億本は合法的に輸出され、64億本は消費された。202.7億本が不明である。
2000年と比較すると、200億本近くが生産または輸入され、700万本が消費または輸出されて111.5億本が不明であることが同じ資料から判明する。

カンボジア―ベトナム国境を越えるタバコや他の商品密輸に対処するため税関と消費税局は、ベトナムとの間で2011年4月に国境での取り締まり強化の覚書に調印した。

世界保健機構もまた政府にタバコ密輸の予防を働きかけている。WHOは政府にタバコ税収を増加させるものとして説得を試みている。

「確かに密輸は既に喫煙問題に貢献している。余りにも安価なため、喫煙するかどうかの正し判断を妨げている」と、WHOのカンボジア代表Peter Van Maaren医師は述べた。

カンボジアからベトナムへのタバコ密輸は、税金の大きな差があるため転売時点で価格を上昇させるので有利性を持っている。 政府は以前、農民を失業させるリスクを増大させるためタバコ税を上げることはできないと語った。

Van Maarenは、タバコ税の引き上げはそのようなシナリオをもたらさないだろうと言う。
「税を上げることで農民への影響があるとのカンボジアでの論議は事実ではない。われわれが見て来た似たような低開発国での例では殆ど影響はなかった」と、彼は言う。

カンボジアのタバコ流通業者は政府の悪名高い低評価に基づく関税と消費税を払わねばならない。これらは、7%の輸入税、10%の輸入に関わる消費税、10%の付加価値税である。

現行の消費税の枠組みで、カンボジアは世界で最も安いタバコ税で10%であり、トルコは65%、ベトナムは32.6%、イギリスは81%である。

最近の正規のタバコ輸入の減少によって、税関と消費税局は2年前の4,661万ドルから、2011年には4,065万ドルと12.78%収入を減少させた。

税関当局は、JetとHeroはカンボジアへの輸入関税を支払っていると言うにもかかわらず、経済・財務省によるタバコ評価価格はより一般的な銘柄と比べて実質的に低いことを示しており、タバコ加工業者に、これら銘柄が特別扱いを受けているのではないか、との疑念を抱かせている。

昨年の財務省税関局数値によれば、JetとHeroはケース当り又は500箱当り67.50ドルであり、一方市場で売られている他の銘柄、マルボロや555は、ケース当り100ドルである。

この矛盾、またはHeroとJetは日常的に税支払済みシールを貼らずに販売されているのかの説明を求めたが、税関総局との副主任と消費税局の広報部門は、知らないとだけ答えた。



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