常識について思うこと

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正確な日本語を使うべし

2011年12月29日 | 社会

今朝の毎日新聞の記事で、「中間貯蔵施設:「期間は30年以内」環境省が地元に約束」という見出しを見つけました。本文を見てみると、汚染土壌の貯蔵について、「国が示す「貯蔵期間は30年以内」について、政権交代しても必ず守ることを約束した」と書いてあります。

この文章を見て、私が最初に思ったのは、「政権交代しても必ず守る」という約束をするなど、あまりにも無責任ということでした。政権交代したら、いくらでも変わるであろうこと(政策)について、それを後回しの問題とし、安易に「必ず守る」など、けっして言うべきではないでしょう。

少々、この記事に違和感と不快感を覚えながら、読み進めていくと、次のような文章にたどり着きました。

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複数の町村長によると、高山政務官は政権交代があっても「貯蔵期間30年以内」を絶対に担保できるような方法を検討すると約束したという。
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こういうことなら話は別です。

「方法を検討する約束をした」というのは、結果までをも約束しているわけではありません。あるべき方向に向けて努力することを約束しただけです。したがって、「国が示す「貯蔵期間は30年以内」について、政権交代しても必ず守ることを約束した」という結果までをも約束したと受け止められる表現は、誤っていると言えます。

「政権交代しても」という部分についても、「政権交代しても必ず守る」という無責任な約束をしているわけではなく、政権交代しても受け入れてもらえるような現実的な解決策を生み出したい、そのための検討を進めるという約束をしていると読み取れます。それはけっして、「他の政権になっても必ず守る」という約束をしたことにはならないでしょう。

この記事自体、「複数の町村長によると」という伝聞調になっているので、その時点で、情報の曖昧さが残ってしまっている感があります。それもスッキリしない原因ではありますが、それにしても、その伝聞を「政権交代しても必ず守ることを約束した」と表現するのは、あまりにもお粗末な気がしてなりません。

仮にも、記事を書かれたのは、言葉を使うことを職業とした記者さんのはずです。そうであるならば、聞き取った日本語の意味を正しく理解し、それを正確に表現する必要があるでしょう。文章を書くにあたって、いろいろと思惑があったり、思い入れがあるのかもしれませんが、それによって事実を捻じ曲げるような書き方は、プロとしていかがなものかと思います。

あるいは、こうした方々ばかりが「マスコミ」として、社会の総意を代弁したり、それを伝えたりという役割を担うには、少々、厳しい時代になってきているのかもしれません。また、それを読んだり、聞いたりする私たち側も、そうした情報に対して、注意深く接していかなければいけないということでしょう。

そういう意味で、次の時代に向けた、新しいメディアシステムの構築は必須なのだと思います。

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